映画評

「徳川セックス禁止令 色情大名」(1)

週末には更新する予定が…すみません。 私、躊躇していたんです。 金曜日の昼間にこの映画見て、 娯楽ポルノだと思ってたら、 なんか…凄い。 色んな意味で凄いんです。 まず、タイトルが凄い。 このタイトルだけで、 ブログにはアップ出来ない と思いました。…

「折り梅」(3)

ボケ老人と介護する嫁(家族)の日常…。 それが、深刻でも暗くなく、爽快感さえ感じられるのは、嫁の巴の優しさであり、賢さなんだろうな、と思います。 実の娘でもここまでできない。嫁姑になっていないところがいいです。 政子を施設に預けようとして、結…

折り梅(2)

いきなり余談ですが…。 将来の自分について、私は「ボケる」ことに救いを見出してたのですね。 老いて醜くなって、日々弱り、衰えていく自分…。 若返ることはない。 そんな現実に、耐えられない。直視できない。 「ボケる」ことで現実にオブラートがかかり、…

「折り梅」(1)

2002年の映画です。 十年くらい前にDVDで見たのですが、特に印象に残っていませんでした。 今、認知症について調べていて、参考資料として見直しました。 今では「認知症」という名称、定着しましたが、「痴呆症」と呼ばれていた頃の映画です。 介護保険…

「盲獣」(3)

モデルのアキへのストーカー行為… から始まって、 異様なアトリエにアキを監禁、触覚芸術を完成させようとする道夫。 何でも道夫の言うことを聞いてきた母親。 アキを拉致するのにも手を貸しました。 ところが… 世間から隔離したアトリエで、母親と2人で暮…

「盲獣」(2)

盲目の自称彫刻家、道夫の異様なアトリエ。 巨大な裸婦像の上、ちょうど乳房の上で道夫はアキにモデルになってくれと迫ります。作品が完成すれば、ここからアキを解放すると。 道夫は言います。 色や形、耳で味わう芸術はあっても、 手で触って鑑賞する芸術…

「盲獣」(1)

随分前に観て、とてもインパクトがありました。 密室の中で描かれる、異常な愛。 桂千穂著「カルトムービー 本当に面白い日本映画1945→1980」 にも紹介されていて、それによると、 原作は江戸川乱歩の同名小説。読めばわかるが、映画は全く違うものになって…

「ぼんち」(2)

喜久ぼんの父親、大阪船場の足袋問屋、河内屋の4代目を演じるのが船越英二。 2時間ドラマの帝王と言われる「船越英一郎」の父親ですね。 船越英一郎も俳優として悪くはないけど、 こんな父親もったら、俳優、やってられないのじゃないかしらん。 と思いまし…

「ぼんち」(1)

今回は、桂千穂著「カルトムービー 本当に面白い日本映画」に収録されてないのですが、 十年くらい前、新宿で観て、再びDVDで見て、 やっぱり面白い。 唸りました。 故山崎豊子のベストセラー小説が原作。1960年公開です。 大阪では、良家の坊ちゃん…

「HOUSEハウス」(3)

夏休み、オシャレ、ファンタ、マック、メロディ、スゥイート、クンフー、ガリ…の仲良し7人は、オシャレの亡き母親の実家、伯母様が一人で暮らす屋敷を訪ねます。 この南田洋子演じる伯母様が、何ともいいです。 …というか、この伯母様演じる南田洋子がいい…

「HOUSEハウス」(2)

桂千穂著「カルトムービー日本映画 1945→1980」で、 「こんな変わった映画はどこにもないせいか、いまだに海外で売れ、印税が入ります」 こんなキャプションで紹介されている、この映画。 1977年、当時、山口百恵、三浦友和のゴールデンコンビで正月と夏休み…

「HOUSEハウス」(1)

1977年、大林宣彦監督の劇場映画デビュー作で、脚本は桂先生です。 桂千穂著「カルトムービー 日本映画1945→1980」によると、 「私と大林宣彦監督との出会いはもうずいぶん昔になる」 なんでも、「映画評論」という雑誌で怪奇映画ベスト・テンという企画があ…

「七つの顔」

桂千穂著「カルトムービー 日本映画1945→1980」の一番最初に紹介されてる映画です。 1946年、大映映画。 「映画の醍醐味をすべて凝縮! カーチェイスに銃撃戦も 魅せる痛快推理劇」 著によると、当時日本はまだGHQの統治下にあり、日本刀を使用する時代劇…

「人魚伝説」

1984年、ATG配給。ディレクターズカンパニー、第一回作品だそうです。 桂千穂「カルトムービー 日本映画1981→2013」に紹介されています。 この映画、タイトルだけは知っていて何やら「凄い」映画だとは聞いていましたが未見でした。 今回、桂宅で(DVD…

「丑三つの村」(3)

村の閉鎖性…と前に書きました。 よそからこの村に来たタダアキが、暴れん坊で好き勝手やってるんですね。 それをやすよが、 「あの人、殺されるんかもわからん」 と継男に囁きます。父親と村の顔役(夏木勲)が相談していたと言うのです。 今まで村が平和に…

「丑三つの村」(2)

この映画、戦地に向かう兵士を見送る場面から始まります。 「××君、ばんざーい!」 ってやつですね。 見送る中に継男がいます。泣いてる母親に同情の目を向けながら、憧れの目で見ています。 汽車で出兵する兵士追いかけてへたります。 村始まって以来の神童…

「丑三つの村」(1)

「象を喰った連中」「大悪党」と、桂千穂著『カルトムービー 本当に面白い二本映画1945→1980』からセレクトしました。 カルト=崇拝。偏愛、マニアック…ということでしょうか? この本の扉にある「はじめに」によると、 我々は、「本当に面白い日本映画…

「大悪党」(2)

この映画、白黒映像でストーリー展開も暗いのですが、 緑魔子のエキゾチックな美貌 が際立って、映画を華やかにしています。 この女なら、ヤバい男に目をつけられても仕方ない。 という説得力あります。 半裸の状態が多いのですが、おっぱい見せたりお尻丸出…

「大悪党」(1)

1968年、大映映画です。 監督は大好きな増村保造。にもかかわらず、この映画は未見で、 「あなた『大悪党』も見てないんですか!?」 桂先生にボロクソ言われ、DVDをお借りしました。 桂千穂著、「カルトムービー 本当に面白い日本映画1945→1980…

象を喰った連中(3)

この映画、死んだ象を喰った5人が病原菌のおかげで、血清なければ30時間後に死ぬ、という大筋です。 これだけ読むと、非常にサスペンスフルなんですけど、 手に汗握る臨場感がない。 死を前にした登場人物が、何処かおっとりしてるというのもあるのですが、 …

「象を喰った連中」(2)

ジュワーッ、とフライパンで分厚いステーキが焼けてるんですね。 白黒映像でも実に美味しそうです。 象の肉っていうと、脂気のないパサパサしたものを想像していましたが、確かに食欲そそります。 それを白衣の研究者が料理している。 この映画、ストーリー…

「象を喰った連中」(1)

1947年ですから、戦後間もなくの映画です。 勿論、白黒。 まず、スクリーンの最初、象のアップにかぶり、 「科学と生命に関する一考察」 と出ます。 何なんだ、これ…。 次にメインタイトル、「象を喰った連中」が出て「科学と生命に関する一考察」がサブ…

「先生を流産させる会」(2)

この映画で一番強烈に感じたのは、 14歳の女というのは、生(なま)ものなんやな。 14歳の女というのは、凶器なんやな。 思春期なんて甘いもんやない。 取扱い注意!!! キタ Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒(。A。)!!! 例えば、このシオン、アキナ、フミホ、マオ、ミヅキ…今…

「先生を流産させる会」(1)

すっかり寒くなってまいりましたこの頃。 今日は特に激しい雨で。 どうしようかな…とちょっと思ったけど、行かないまま引っかかっているのは嫌だったので、行ってまいりました。 映画、「先生を流産させる会」 数日前、検索してたら見つかって、昨年の映画だ…

「終の信託」

さて、「変態家族 兄貴の嫁さん」(2)に行く前に…。 昨日、試写で観て参りました。 「終の信託」 キタ Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒(。A。)!!! な、なんと、このブログをご覧になった方が試写状を贈ってくださり…。 さすが、読者100万人を超える人気ブログは違う。(←どこ…

「沓掛時次郎 遊侠一匹」(5)

「おのれ〜半世紀も前の東映映画、ブログ書くのに一体、何回続くねん!ええ加減にせえよ(*`Д´)φ」 「ビデオ屋行っても置いてなかったやんけ!AmazonでDVD買って見ろ、っちゅうことかい( ̄へ  ̄ 凸」 ははぁ〜。す、すいません( ̄▽ ̄;) 小学3年の娘にまで、…

「沓掛時次郎 遊侠一匹」(4)

さて、時次郎が一宿一飯の恩義で殺すことになった六ッ田の三蔵。今際(いまわ)の際に、残された妻子のことを時次郎に託します。惣兵衛という熊谷の伯父を頼るように伝えてほしいと。その時、三蔵がある物を時次郎に手渡します。それは、 欠けた黄楊(つげ)…

「沓掛時次郎 遊侠一匹」(3)

桂先生のお宅を訪問する。 読者の皆さまにはご報告が遅れましたが、昨年より、シナリオ作家協会主催のシナリオ講座、学長に新藤兼人氏の後任として桂千穂先生が就任されました。(今年100歳を迎えられる新藤兼人氏は名誉学長に) そして、4月からの研修…

「沓掛時次郎 遊侠一匹」(2)

皆さま、ご訪問ありがとうございます。 久々の映画評、いささか緊張しております。 そして、今回、「沓掛時次郎 遊侠一匹」(2)を更新するにあたり、頭を抱えてしまいました。 映画の「プロローグ」を終えて本編に入るにいたり、 見所がありすぎる。 解説…

「沓掛時次郎 遊侠一匹」(1)

久々に映画について書きたいと思います。それがなんで、 「沓掛時次郎(くつかけときじろう)」やねん。 と自分でも思うけど、書き所満載なので書きます。 「沓掛時次郎」――名前くらいは聞いたことありますよね。調べてみると、8回も映画化されて、テレビ化…