2017-01-01から1年間の記事一覧

「明日の心配は無用です」

先日、横浜の地下街を歩いたら… クリスマスソングに乗って、有名どころの菓子(ケーキ)屋がショーケースに華やかなクリスマスケーキを陳列して、何店も出店していた。 クリスマスケーキ クリスマスプレゼント もはや誰も、それに疑問を抱かないけれど… 若者…

「暴行切り裂きジャック」(2)

前回、 壮絶なバイオレンスVS美味しそうなスウィーツ と書いたが、この映画、 ファーストシーンがそもそもケーキ。 喫茶店というより、今でいうなら、 高野フルーツパーラー のような、デザートメインの高級感漂う店なのである。 従って、愛想の悪い、アフ…

「暴行切り裂きジャック」(1)

桂先生が自作で一番好きな映画だと言われる。 バイオレンスの巨匠、長谷部安春の演出が冴えわたる。 オープニングタイトルから洒落ている。 スタッフ、出演者…映画名が、斜めに切り落とされていく。 1976年の作だが、全く古さを感じない。喫茶店のウエイトレ…

小学1年生の電車通学

平日、午後4時半…。 最寄り駅のホームで見慣れぬ人影を発見。 それは… 黒いスーツに黒い帽子、黒いランドセルを背負った、明らかに小学1年生やろ と思われる女の子である。目が釘付けになるようなお人形のような女の子… ではなかったが、私の視線はそこから…

初花

今年の9月、風琴工房「アンネの日」という公演があった。 ズバリである。 1961年、当時27歳の女性が「アンネ株式会社」を設立した。 社名は、『アンネの日記』に月経に関する記述があったことに由来するらしい。日本では平安時代以降、長く穢(けが)れとし…

「しゃぼん玉の欠片を眺めて」

「明日の心配は無用です。明日のことは明日が心配します。労苦はその日その日に十分あります」 と聖書にある。全く、その通りである。明日、生きてる保証だってないのだ。 毎日、聖書を読んで、イエス様を信じてるはずの私だが、 「明日」どころか、ずーっと…

帯ドラマ「トットちゃん」

駅前でテキ屋(要するに寅さん)のような男が木の皮を売っている。慣れた口上で結構、売れている。 これを噛んで、苦かったら病気、苦くなければ大丈夫。 「自分が病気かどうかがわかる木の皮」 学校へ行く途中、トットは、どうしてもこれがほしくなる。 ト…

花筐(はながたみ)(4)

10月3日午後1時、渋谷。 12月16日公開の「花筐」、マスコミ試写に行く。 桂先生からいただいた試写状もって受付に行くが、先生の知り合いはおらず、何も言われなかった。 試写状の宛名「桂千穂」が女名だったから、私が「桂千穂」だと思われたらしい…

花筐(はながたみ)(3)

先生から映画「花筐」試写会の招待状をいただいた。 「宛名が『桂千穂』ですけど大丈夫ですか?」 と聞くと、 「『桂千穂の弟子です』って言えば断れないでしょう」 お〜っ! 先生、もうずっと、 「僕に弟子はいません」 と頑固に言われていたのである。(だ…

花筐(はながたみ)(2)

先生の新著…。評判いいらしい!さて、この映画「花筐」。原作は壇一雄、1937年の作。この年、壇一雄は日中戦争の勃発で召集されている。 25歳。「最後の無頼派」とも呼ばれる壇だが、この「無頼」の裏には切実な戦争経験があるようだ。 少年時代に「花…

花筐(はながたみ)(1)

このブログではお馴染みの脚本家、桂千穂…先生。 知り合ったのは、私がシナリオ作家協会主催のシナリオ講座に通っていた頃だから、相当な昔である。 あれから、コンクール受賞を機にライターデビューし、結婚し、母親ともなった。 私もええ年になったが、先…

障碍者の家族は不幸なのか(4)

「亜由未が教えてくれたこと」映像を見てくださった方々…。 ありがとうございます。見てくださったなら、もう私はこれについて語ることはありません。 仮に「障碍者の家族は不幸」だとしたら、 「障碍者でない家族は幸福」だろうか? 「幸福」か「不幸」か、…

障碍者の家族は不幸なのか(3)

私が見たETV特集「亜由未が教えてくれたこと」(7月27日放送)は、5月9日のハートネットTVで放送されたものらしい。 そのハートネット版がパソコンで見られます。(ハートネットは30分でEテレ版より短い) 広告の後で放送されます。ブログで紹介できな…

障碍者の家族は不幸なのか(2)

「(重度障碍者の妹)亜由未を撮影し、障碍者の家族は不幸ではない」と伝えたい。 声を挙げたNHK青森放送ディレクター、坂川裕野(26)さん。 仕事として取材、報道…に労を惜しまないことは難しいことではないと思う。 カタルシスもあるだろう。 しかし、…

障碍者の家族は不幸なのか(1)

7月27日放送、NHKEテレ「亜由未が教えてくれたこと」を見て、考えさせられた。「障碍者は不幸を作ることしかできない」 昨年7月、19人の死者、26人の重軽傷者を出した津久井やまゆり園の殺傷事件を引き起こした犯人、植松聖の衝撃的な言葉である。 戦後最大…

AV監督にしくん(2)

「にしくん」、「にし君」ではなく「にしくん」。本名は「西」、「にし」には、 西=日没で死の意味 二死で二度死ぬ にし=24(一日は24時間を死ぬ気で生きる) の意味を込めたらしい。 1993年、生まれた時は大きかった。3歳の時に脳腫瘍(小児ガン)を発病…

AV監督にしくん(1)

夜の歌舞伎町を子供用自転車で乗り回す。 時に小学生と間違われる「にしくん」。 24歳。 身長109センチで体重20キログラム。 そのお仕事は、 アダルトビデオの監督で月に一本、作品を撮っているという。 出演もし、セクシーでありながら、ユーモアと愛情あふ…

NHKEテレ「バリバラ」

前回、NHKEテレ「高校講座」をネタにした。 「これ、ホンマに教育テレビ???」 そして、今回もNHKEテレ番組について書かせていただく。それも、前回と同じく、「これ、ホンマに教育テレビ???」 なのだが、こちらは見る度に驚嘆というか、感心、感嘆する…

NHKEテレ「高校講座」

「これ、ホンマに教育テレビ???」 4月からNHK Eテレで放送している「高校講座」を見ている。必要に迫られたわけではない。「日本史」や「化学」「生物」…などを、さら〜っとおさらいしたくなった。中学生の子どもを持つ今、それなりに楽しく吸収できるよ…

「レイプ25時 暴姦」(3)

この映画、なかなかにこだわりのある映画なのだが、 登場人物に名前がない。 登場人物に名前がなくとも、 映画の中では特に困らない。 のであるが、 ブログで紹介するには非常に不自由。 なのがわかった。また、 赤ジャン男はまだしも、ガソリンスタンドで働…

「レイプ25時 暴姦」(2)

ガソリンスタンドで働く冴えない若い男が、ある夜、オカマ三人組に追われる赤ジャンの男と出会う。三人組から逃れて車で住宅街を走るうち、赤ジャンが窓辺に映る女の影を見て、車を降りたかと思うとひょいと家の塀に飛び移る。 あらら…。 マークも(家の)下…

「レイプ25時 暴姦」(1)

この映画、レンタルDVDで見てから、渋谷の劇場で観た。 久しぶりに改めて見たが…。 凄い。 こんなロマンポルノ見たことない。 まず、 登場人物に名前がない。 DVDパッケージのあらすじを見ても、若い男(塚田末人)、赤いジャンパーの男(石山雄大)、若い女…

「処女が見た」(3)

西入庵の本寺、永光寺の新しい住職、行俊(若山富三郎)は初対面の智英尼に、 「あんたのような綺麗な人に出会うとドキドキします」 などと抜け抜け言う。今ならセクハラ住職だろう。 若山富三郎と言えば好色なイメージもないが、この映画の行俊は、 脂ぎっ…

「処女が見た」(2)

京都洛北の尼寺、西入庵の庵主、智英尼(若尾文子)は本寺である永光寺の住職の紹介で和恵(安田=大楠道代)という17歳の少女を預かることになる。和恵は伊勢湾台風で両親を喪い、叔父夫婦に引き取られるが色々と問題を起こし高校を停学処分にもなっていた…

「処女が見た」(1)

ブログ開くと「秘 海女レポート 淫絶」のポスターが飛び込んで来て、戸惑ってしまうのだが、 ポスター削除するのもおかしい、と思い、敢えてそのままにした。 敬愛する桂先生の作品だもの。 しかし、さっき気がついて「淫絶」という語、辞書で調べたらなかっ…

桂千穂コレクション

「桂千穂コレクション」…ご無沙汰だなぁ、と思って調べたら、2013・9・8の「海女レポート」(3)が最後であった。 もう4年近く…更新していないとは。 娘達(双子)が小学校中学年で、私のブログを面白がって読んでいて、(「読むな」とは言えず) 子…

「死の舞踏」(3)

「ロシア貴族の入場行進」を聞くと、エドガーは踊り出すという。 エドガーにリクエストされて、アリスが嫌々ながらピアノに向かって「ロシア貴族の入場行進」を弾く。 踊り出したエドガーだが…倒れる。クルト「(駆け寄る)どうしたんです。どうしたんだ、一…

「死の舞踏」(2)

パンフレットによると、作者ストリンドベリは没落貴族の父と女中との間に生まれた。 3度の結婚と離婚を繰り返したが、「死の舞踏」の妻、アリスは元女優。ストリントベリの最初と最後の妻も女優。2度目の相手は女流作家。 「死の舞踏」は、銀婚式(結婚2…

お詫び

読者の皆様 いつもありがとうございます。皆様のアクセスに支えられながら、ブログ更新させていただいています。 この度、こちらの手落ちでブログの添付写真が消失してしまうこととなり、 大変、お見苦しいこととなりました。誠に申し訳ございません。 パソ…

「死の舞踏」(1)

Bunkamuraシアターコクーンで公演された、シス・カンパニー公演、「死の舞踏」「令嬢ジュリー」。 2作品とも、スウェーデン出身のヨハン・アウグスト・ストリンドベリによる戯曲で、今回、シアターコクーン内に2つの小劇場を特設し、連日、2作品を交互に公…