2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「がん」という冒険(39)

5月が終わろうとしている。 来週には入院、手術…である。 こんな言い方は適切でないかもしれないが、 不気味である。 なぜに不気味かといえば、 平和すぎる。 問題がなさすぎる。 今まで壁のように立ちはだかっていた事柄が、次々になくなる。 たとえば、 ・…

「がん」という冒険(38)

来週の今日は、よしみドクターと手術前の最後の相談が行われる。 30日に術前最後のMRIを撮り、その結果をもとに具体的なことを色々話し合うのだろう。 最後の抗がん剤治療の日、 「今までご家族が誰もお見えになっていませんが」 と前置きされて、ドクターは…

「がん」という冒険(37)

金曜祈り会である。 思えば去年の12月初め、(まだそれほど脱毛していない)前倒しで購入したウィッグをつけてこの祈り会に出た。 黒髪でクセ毛の私が、いきなり茶色のストレートヘアーで登場。(娘達は「別人」と言った)当然、姉妹方は驚く。 「美容院でイ…

「がん」という冒険(36)

そんなわけで、私は気さくな看護師から「美味しい」と教えられた玄米餅をスーパーで見つけたので買った、と話してドクターにウケ、診察室はなごやかである。 全く不思議な病院である。医療法人の基幹病院(大病院)で、こんなふうに担当医とゆっく雑談や冗談…

「がん」という冒険(35)

「治療期間が長かったので、気持ちの整理ができました」 最後(8回目)の抗がん剤治療の日、診察室でよしみドクターと向かい合った私は言った。抗がん剤治療が始まったのが去年の12月1日、半年を振り返って本当にそう思ったのだ。 私の周りのがん経験者はみ…

「がん」という冒険(34)

5月11日は、8回にわたる最後の抗がん剤治療だった。 スタートは昨年、12月1日。前日の11月30日は義母(義母については前回の『がんという冒険(33)』参照)の誕生祝いに、花束をもって浪人生の娘αと義母宅を訪ねた。αの双子の妹βは大学があってNG。ケーキは…

「がん」という冒険(33)

私を「ハゲババア」と称した夫に、いつ入院・手術について話すか? 黙って入院・手術し、終わってから「退院しました~(^O^)」を想像すると笑えたが、そうもいくまい。 この問題が、意図せずに片づいた。 「土曜日(7日)『母の日』のお祝いにケーキを予約…

「がん」という冒険(32)

金曜祈り会であった。 『もし、あなたがたのうちふたりが、どんな事でも、地上で心を一つにして祈るなら、天におられるわたしの父は、それをかなえてくださいます。ふたりでも三人でも、わたしの名において集まる所には、わたしもその中にいるからです』(マ…

「がん」という冒険(31)

がんの宣告から5か月、抗がん剤治療を内緒にして金曜祈り会に出ていた私は、私ががんなどとは夢にも思わない姉妹方を見ながら、 いつカミングアウトするか? 想像してはワクワクしていた。12月、突然ウィッグで髪型の変わった私を、皆(ウィッグと気づかず)…