「先生を流産させる会」(2)

この映画で一番強烈に感じたのは、
14歳の女というのは、生(なま)ものなんやな。
14歳の女というのは、凶器なんやな。
思春期なんて甘いもんやない。
取扱い注意!!!
キタ Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒(。A。)!!!
例えば、このシオン、アキナ、フミホ、マオ、ミヅキ…今時の名前の5人組。担任のサワコ先生が妊娠します。
グループのリーダー、ミヅキが言います。
「サワコ、セックスしたんだよ。気持ち悪くない?」
これが、すごく納得できたんですね。
今時、セックスが特別なことだなんて思ってないだろうけど、
担任のサワコ先生がセックスするなんて、想像もできないんだと思います。
サワコ先生は気が強くて毅然としてて、専門は化学で…。
急にサワコ先生が生々しい存在になってきたのでしょう。
妊婦って…確かに、生々しいです。
ミヅキが保健の先生にこんな質問をします。
「(胎児は)何ヶ月から人間になるんですか?もう人間なんですか?」
で、ミヅキもミヅキなら、サワコもサワコで、
「女は気持ち悪い生き物なの!」
ゴルァ━━━━━━(゚Д゚)━━━━━━ !!!!!
このサワコ先生、給食に異物を混入されたり、椅子のネジを緩められて尻餅ついたり…。
普通の映画なら、怖くなって夫に泣きついたり、学校来なくなると思うのですが、
サワコはこうです。
「私は赤ちゃんを殺した人間を殺す。先生である前に女なんだよ」
ドモ\( ̄▽ ̄*)(* ̄▽ ̄)/ドモ
こんなの、教育委員会に知れたら大問題ではないでしょうか。
必死に胎児を守ろうというような受け身の母性ではなく、
戦う母性。
みたいな…。
5人にひるむことなく向き合い、廃墟となったラブホテルのアジトを突き止めます。
「先生を流産させる会」
を知っても、たじろぎません。
この映画、サワコ先生の夫は全く登場しません。登場どころか気配もありません。シングルマザーの設定でもないので、サワコ先生の強さを出すために伏せているのでしょう。現実にはありえないけど、効果的です。ついでに、ミヅキの母も一切、出ません。母子家庭らしいのですが、サワコ先生が連絡取ろうとしても(書類にある)携帯電話番号の持ち主替わっていて連絡できず…。うまいなぁ、と思いました。
で、出てくる男は情けないのばっかりで、サワコ先生の激しさは更に強調されます。
逆に、モンスターペアレントのフミホの母親なんか、常軌を逸した強烈さでサワコ先生に食ってかかります。
壊れてる母親ですが、何処かにいそうです。
妊婦の女教師が逃げてたら、話は緊張感なくなってどんどんタルくなるところが、女教師は逃げるどころか追いかけて戦うので、ゾクゾクしながら観入ります。
一体、何処まで行くの?
引き返せなくなるのでは?
で…。
とうとう、ミヅキはサワコの子を無残に殺してしまいます。
ここまでやって、一体、どうオチをつけるのか…。
ミヅキがサワコに殺される?
キャ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
オカルトではありません。
実に見事なオトシマエをつけてくれました。
是非、劇場かDVDでご覧ください。
さて、上映後、サワコ先生役の女優、宮田亜紀が登場。公開前のエピソードを話された後、こんな仰天の一言が…。
「予算100万くらい」
ゴルァ━━━━━━(゚Д゚)━━━━━━ !!!!!
5人組の少女は全員映画は初出演…らしいですが。
一体、どういう計算になるのか。
とにかく、62分、予算100万でこれだけの映画が撮れるとは…。
衝撃でした。
それにしても…。
うちの娘達、10歳×2も…そのうち「取扱い注意」になるのかと思うと、恐怖を覚えました。