「HOUSEハウス」(3)

夏休み、オシャレ、ファンタ、マック、メロディ、スゥイート、クンフーガリ…の仲良し7人は、オシャレの亡き母親の実家、伯母様が一人で暮らす屋敷を訪ねます。
この南田洋子演じる伯母様が、何ともいいです。
…というか、この伯母様演じる南田洋子がいいのです。
白髪で車椅子の老婆なんですが、何とも妖しげで、いわくありげ…。
物凄い存在感なんですね。
ピチピチの小娘7人の中で、ずっしりと重厚なオーラを放ち、映画に箔をつけています。
伯母様のフィアンセが三浦友和(回想でしか登場しない)で、おいおい…どう見たって、叔母と甥やんけ。
で、フィアンセは戦死して、伯母様は今もフィアンセを想い続けているわけです。
そうして、賑やかに夏休みの幕が開きます。
第一の犠牲者、それは、マック

井戸に冷やしたスイカをファンタ(大場久美子)が引き上げてみると、何とそれは、
マックの生首。
悲鳴を上げてうずくまるファンタの尻に、マックの生首が噛みつきます。
ホラーなんだけど、残酷さやおどろおどろしさ…はあまりなく、ポップで明るい。
「日本映画離れ」しています。
「元気が出たのよ。皆さんが来てから」
車椅子の伯母様が歩き出し、ダンスを踊り出し…若返るんですね。
骸骨(伯母様の父親は医師で屋敷の一室を診察室にしていたので、骸骨の標本がある)までピアノに合わせて踊ったり。
そして、少女が一人ずつ、
布団に食われ、
ピアノに食われ、
電灯の傘に食われ…。
その食われ方が大林流で、見応えたっぷり。(シナリオ書いた桂ワールドとも言える)
伯母様はフィアンセの死を信じることができず、「いつか、私の元に…」
そんな伯母様の霊に呪縛されたのが、オシャレ。伯母様の想いを支えたのが、ハウスとネコ…。
伯母様は、未婚女性を食い尽くす妖怪となり、遂に7人の少女を食い尽くすのです。
今日、桂先生のお宅に伺って、
「まさに、桂ワールドですよね。先生、好き放題やってますよね」
「大林さんもデビューだったから、うるさいこと言わないで、やりたいことやれたんです。あんなことは『俗物図鑑』でちょっとやったけど、他にはないですね」
そして、未だに印税稼いでくれるのですから…。
羨ましい。
では、予告編ですが、お楽しみください。
http://www.dailymotion.com/video/x7jchh_%E6%98%A0%E7%94%BB-house-%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B9-trailer_shortfilms