帯ドラマ「トットちゃん」

駅前でテキ屋(要するに寅さん)のような男が木の皮を売っている。慣れた口上で結構、売れている。
これを噛んで、苦かったら病気、苦くなければ大丈夫。
「自分が病気かどうかがわかる木の皮」
学校へ行く途中、トットは、どうしてもこれがほしくなる。
トモエ学園に着くと、トットは事情を説明して校長先生に20銭貸してほしいという。
家に帰ってママから20銭もらって必ず返すからと。
校長先生は迷いもなく笑顔でトットにお金を渡す。そして、「買って来たら先生にも噛ませてくれよ」

そして買って来た木の皮を、トットは一番に校長先生に噛ませる。
木の皮は「味がしない」という校長先生に安堵するトット
自分が齧ることも忘れ、教室のみんなにも噛ませると言うトットに、
「君は本当にいい子だな」
トットの頭に手を置く。
テレビ朝日で10月2日から放送している帯ドラマ「トットちゃん」の12話イントロ。
何とも微笑ましいエピソードである。自分が校長の立場だったら、どうしただろう…?
子どもが目を輝かせてほしがる物を、冷たく「NO」とは言えないかもしれない。
買えば納得するだろう、とあきらめてお金を渡すかもしれない。しかし、「買って来たら先生にも噛ませてね」
とは絶対に言えない。(そこまでのサービス精神はない)さすが、「窓際のトットちゃん」に登場するトモエ学園の校長、小林宗作先生である。
なぜ、あんな詐欺まがいのことに手を貸すのか、と不信がる三輪先生(女教諭)に、
「興味をもったことを試してみることが大事なんだよ。騙されたことは、その後ゆっくり気づけばいい」
こんな教育者…今、何処にいるだろう。
私も娘達を小学校に入学させた。
そこは…横に一列並びの教育。
はみ出す生徒は弾かれる。
「子どもらしく」「個性」…とは真逆だと感じさせられた。

初回から見ているが、凄い帯ドラマである。
小学生以上の日本人なら、おそらく知らない人はいないであろう国民的女優、黒柳徹子
日本のテレビ女優第一号にして、トーク番組「徹子の部屋」は40年以上の10000回越え。
著書「窓際のトットちゃん」は戦後最大のベストセラー。玉ねぎ頭をトレードマークに、喜劇女優としてユニセフ大使としても活動を続ける。
以前にもブログで書いたが、
黒柳徹子の前に黒柳徹子なし
黒柳徹子の後に黒柳徹子なし
である。
そんな黒柳徹子の怒涛のような半生を描いた帯ドラマらしい。脚本は大御所、大石静。テーマ曲「トモエ学園」福山雅治が歌う。黒柳のオファーで作ったらしい。私は、黒柳徹子よりも母親の黒柳朝(ちょう)さんのファンで、ブログにも書いた。
http://d.hatena.ne.jp/rennren/20170223#1487845080
そして、このドラマは、黒柳徹子の誕生前、徹子の父、守綱と母、朝の出会いから描かれていた。
バイオリニストの父、守綱と北海道の医者の一人娘(医者と結婚して病院を継ぐ)で、東京の音大に通っていた母、朝。
お互いにほとんど一目惚れ…(見合いを断った)朝は父親から勘当される。
この二人が結婚して生まれた第一子が黒柳徹子父親も母親も…誠に型破りで、さすが、黒柳徹子の源泉である(笑)
ちなみに、「徹子」という名は、
父、守綱が誕生するのは男と決めてかかり、「徹」命名していた。
それが、生まれたのは女児で、仕方なく(?)「徹」「子」をつけたものらしい。
この父親も…個性の塊である。
放送は月〜金、午後12:30〜12:50。「徹子の部屋」の次に放送される。(BS朝日で再放送、7:40〜8:00)