2022-01-01から1年間の記事一覧

「がん」という冒険(54)

ブロンドウィッグの画像をようやく(52)にアップしましたのでご覧ください<m(__)m> 自分としては大冒険のつもりが、ウィッグデビューした時ほどの反響はなく、それほど驚きもされなかった。ただ、同居の長女αは「似合ってる」、寮暮らしの次女βは、「イケてる」と評</m(__)m>…

「がん」という冒険(53)

術後の抗がん剤治療終了から2か月が過ぎ、私のスキンヘッドはごま塩の坊主頭になった。数ミリだが産毛(うぶげ)のような毛が生えていて、お坊さんのような学生のような…なかなかにすがすがしい。酷暑のなか、暑苦しくない。さすがに、このまま外に出る勇気…

「がん」という冒険(52)

髪を金髪(ブロンド)にする…というのは、一種の変身願望である。 私はクセの強い黒髪で、髪を染めることもあまりなかった。 抗がん剤治療の副作用で100%髪の毛が抜ける、と医師から聞いた時には、ショックというより想像もつかなかったのだが、 カツラで色…

「がん」という冒険(51)

手術で入院する前、 もう、ここへ帰って来れないかもしれない。 と真剣に思ったわけではない。思ったわけではないが、 頭をよぎる。 その時のために娘達に手紙を残そうか。 と考えた。 「万が一、私が帰って来ない時に開いて」 と言って、留守番するαに手渡…

「がん」という冒険(50)

前回、「終わった」と書いた。 「終わった」と書いたもので、このブログも終わるのかと思われた人もおいでのようである。 手術は終わったが、ブログは続きます。 手術は確かに終わったのだが、もうひとつ、「終わった」と思ったことがあった。 私はもう、が…

「がん」という冒険(49)

さて、娑婆に帰ってきた。 手術前からドクターに、 退院した翌日から日常生活をした方がいい。カーブスにも行っていい。 と言われていた。手術翌日からリハビリが始まったし、今の医療では「休む」より「動かす」方が治りが早いということらしい。 退院翌日…

「がん」という冒険(48)

「別荘から帰ってまいりました」 金曜祈り会である。姉妹方の視線を集めた私は、照れ隠しのようにこう言った。東映ヤクザ映画で刑務所から出所した高倉健が言っていた。刑務所を警察用語で「別荘」と言うらしい。 先週の金曜、手術のために入院するのを「行…

「がん」という冒険(47)

手術から2日目、この病院の朝食はパンらしい。 トーストされていない食パン2枚。 ただし、温めてはある。 小学校の給食についてきた小袋ジャムとマーガリン。 名糖のパック牛乳――。 その他、塩気も歯ごたえもない野菜と果物…。 「通常食」とある。 もう…限界…

「がん」という冒険(46)

痛みも意識もないうちに手術が終わった。 手術台で目覚めた私は、まるで魔法だと思う。 思えば20年前、娘達を出産した時も、 産声とともに、第一子がこの世に現れ、続いて第二子… それはまるで、手品か魔法のようだった。 手術台の上で時間を聞いた私は、予…

「がん」という冒険(45)

手術前夜、祈りに包まれて眠る幸せを感じた私には、 手術に対する恐れなどない。 と読者は思われるかもしれない。抗がん剤治療の苦しみもなかったのだから、術後の痛みも大したことないだろう…くらいにしか感じていないだろう…と。 そんなことはないのである…

「がん」という冒険(44)

スタートした入院生活は、快適なものではなかった。 病室は304号室の6人部屋、入って右手の扉近くが私のベッドである。 他のベッドはすべてカーテンが閉められ、閉鎖的で挨拶するどころではない。 まず、一律に病院レンタルの甚兵衛の上下というものに着替え…

「がん」という冒険(43)

早々と帰還である。 5日入院、6日手術…であるから、手術から2日しか経っていない。 退院予定は10日だった。 今朝、担当医兼執刀医のよしみドクターが様子を見に来られ、手術跡のチェック、痛みの確認、腕の上げ下ろし…すべて問題なし。 去ろうとするドクター…

「がん」という冒険(42)

出撃である。 寝ているはずのαが起き出して、病院まで行ってくれるもよう。 入院中、コロナ禍で面会はなしである。 パソコンは置いていくことにする。 退院予定は10日。 また会う日まで…(^O^)/

「がん」という冒険(41)

入院前日である。 長女αと回らない寿司屋に入り、「最特上」の寿司を注文した。 最特上…「特上」より1200円高い。 最後にここに入ったのは、2月にαの入試が終わった日だった。 特上が美味しかったので、また来ようと思いながら、入院前日の今日になった。 明…

「がん」という冒険(40)

誰もが知るバラの花、しかし、 バラの花びらが何枚あるか? そんなことを考えた人はあまりいないのではないだろうか? 私が母のように慕う◆姉妹は13種類だかのバラを育てている。先月、銀座でデートした際に、◆姉妹は自宅から摘みたての、 ルージュ・ピエー…

「がん」という冒険(39)

5月が終わろうとしている。 来週には入院、手術…である。 こんな言い方は適切でないかもしれないが、 不気味である。 なぜに不気味かといえば、 平和すぎる。 問題がなさすぎる。 今まで壁のように立ちはだかっていた事柄が、次々になくなる。 たとえば、 ・…

「がん」という冒険(38)

来週の今日は、よしみドクターと手術前の最後の相談が行われる。 30日に術前最後のMRIを撮り、その結果をもとに具体的なことを色々話し合うのだろう。 最後の抗がん剤治療の日、 「今までご家族が誰もお見えになっていませんが」 と前置きされて、ドクターは…

「がん」という冒険(37)

金曜祈り会である。 思えば去年の12月初め、(まだそれほど脱毛していない)前倒しで購入したウィッグをつけてこの祈り会に出た。 黒髪でクセ毛の私が、いきなり茶色のストレートヘアーで登場。(娘達は「別人」と言った)当然、姉妹方は驚く。 「美容院でイ…

「がん」という冒険(36)

そんなわけで、私は気さくな看護師から「美味しい」と教えられた玄米餅をスーパーで見つけたので買った、と話してドクターにウケ、診察室はなごやかである。 全く不思議な病院である。医療法人の基幹病院(大病院)で、こんなふうに担当医とゆっく雑談や冗談…

「がん」という冒険(35)

「治療期間が長かったので、気持ちの整理ができました」 最後(8回目)の抗がん剤治療の日、診察室でよしみドクターと向かい合った私は言った。抗がん剤治療が始まったのが去年の12月1日、半年を振り返って本当にそう思ったのだ。 私の周りのがん経験者はみ…

「がん」という冒険(34)

5月11日は、8回にわたる最後の抗がん剤治療だった。 スタートは昨年、12月1日。前日の11月30日は義母(義母については前回の『がんという冒険(33)』参照)の誕生祝いに、花束をもって浪人生の娘αと義母宅を訪ねた。αの双子の妹βは大学があってNG。ケーキは…

「がん」という冒険(33)

私を「ハゲババア」と称した夫に、いつ入院・手術について話すか? 黙って入院・手術し、終わってから「退院しました~(^O^)」を想像すると笑えたが、そうもいくまい。 この問題が、意図せずに片づいた。 「土曜日(7日)『母の日』のお祝いにケーキを予約…

「がん」という冒険(32)

金曜祈り会であった。 『もし、あなたがたのうちふたりが、どんな事でも、地上で心を一つにして祈るなら、天におられるわたしの父は、それをかなえてくださいます。ふたりでも三人でも、わたしの名において集まる所には、わたしもその中にいるからです』(マ…

「がん」という冒険(31)

がんの宣告から5か月、抗がん剤治療を内緒にして金曜祈り会に出ていた私は、私ががんなどとは夢にも思わない姉妹方を見ながら、 いつカミングアウトするか? 想像してはワクワクしていた。12月、突然ウィッグで髪型の変わった私を、皆(ウィッグと気づかず)…

「がん」という冒険(30)

ない。 神隠しにあったように、ない。 あるはずのお金がない。 呆然となった。 財布に入っているはずの5万円がないのである。 夕方、カーブスの帰りにりそなATMでおろしたはずの5万円。 通帳を見れば確かに50000円おろしている。 5万円はどこへ消えた?? \…

「がん」という冒険(29)

「達者か?」 「達者だ」 4月9日、スーツケースに熊のぬいぐるみ、その他(ごちゃごちゃしたもの)…をもって家を出た双子の妹βが、もどってきた時の最初のやり取りである。 私からはいっさい、連絡を取らず、家を出て初めて電話で聞いた声が、 「もしもし、…

「がん」という冒険(28)

さて、乳房温存(部分切除)か全摘(乳房切除)かである。 どちらを希望するか医師から問われたのには驚いた。 自分で胸を触診してみて、明らかにしこりはなくなっていたから、てっきり温存ですむと思っていたのだ。それを、 全摘の必要性が出てきた。 とい…

「がん」という冒険(27)

前回の診断(3週間前)では、抗がん剤でがんがとても小さくなっていて、私の手術は、ドクターの口調からも 部分切除(乳房温存)>乳房切除(全摘) というふうに受け取れた。 部分切除とは、がんを含む乳腺組織を部分的に切除する手術で、乳房の膨らみは保…

「がん」という冒険(26)

娘αの大学の入学式の翌週、娘βが寮に入るため家を出た。 3月30日から入れるらしいのが、遅々として準備が進まず、大学が始まる直前の入寮となった。 なぜ、遅々として進まなかったかというと、 連日のように寝ていたから。 \(゜ロ\)ココハドコ? (/ロ゜)/…

「がん」という冒険(25)

月一祈り会である。 すべて、疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところに来なさい。 わたしがあなたがたを休ませてあげます。 (マタイの福音書 11‐28) 礼拝や祈り会というのは、どういうところかというと、 主の前に重荷を下ろすところだと思う。 …