「がん」という冒険(52)

髪を金髪(ブロンド)にする…というのは、一種の変身願望である。

私はクセの強い黒髪で、髪を染めることもあまりなかった。

抗がん剤治療の副作用で100%髪の毛が抜ける、と医師から聞いた時には、ショックというより想像もつかなかったのだが、

カツラで色々冒険してみよう。

とは思った。

乳がん経験者のブログを読んでみたら、

最初のカツラを30万で買った。

というのがあった。がん宣告のショックから、判断能力もなくなっていたらしいのだが、私とはえらい違いである。しかし、こういう人が大半ではなかろうか?

がんの宣告×(世にも恐ろしい)抗がん剤治療×ハゲ

こんな襲撃にあったら、それだけでノックダウンしたとしてもおかしくない。しかし私の場合には、さらに、

αの大学受験

があった。(がん宣告は11月だった)

(-_-)/~~~(゜ロ\)ココハドコ? (/ロ゜)/アタシハダアレ?(-_-)/~~~

よくもまぁ、元気に年を越せたものだと我ながら感心する。ちなみに、この人はカツラ購入後も抗がん剤治療に苦しんだが今はお元気らしい。

 

そうはいっても、当時の自分を思い返せば、やはりウイッグ処女であり、初心(うぶ)であった。値段を明かそう。最後から2番目に安いウィッグは75000円。私にとっては「相当高い買い物」であった。

それから間もなく、新聞の折り込みチラシに入っていたカツラの展示即売会、近くのホテルで開催されており、私は広告にあった3000040000ほどのカツラを目当てに「3000円割引」だかのクーポンもって馳せ参じたのである。

ところが、結局、購入したのは、

167000円。

(-_-)/~~~ピシー!ピシー!(-_-)/~~~ピシー!ピシー!(-_-)/~~~ピシー!ピシー!

75000円のは100%アクリル、167000円のはアクリル×人毛など、高い理由は無論ある。結局、販売員との闘いに疲れてしまった。

必要なものだし、もうええわ…。

 

そうして…3つ目である。

この時求めた「金髪」は、遊び心ではなく本気だった。

がんの手術が終わり、体内からがんが消え、かといって治療が終わったわけではなく、私はまだがん患者らしい。

何か吹っ切りたいような、とんでもないことをしたいような気分。そして今、このタイミングを逃せば、こんな気分になることはないだろうと察しがついた。

この機に乗じて…

チャンス……!!!

である。

そうして、鏡の前に座り、あれやこれや試着する。金髪といえば、私は黄色に近いような明るい金色を想像していたのだが、そういうのは逆になかった。

カツラというものを経験して、人は髪型で本当に変わると思う。最初のカツラで帰宅した時、娘達は母親だと気づかず、

友達連れて帰って来たのかと思った。

らしい。

カツラを知って、おしゃれの幅が広がったともいえる。そうして、最終的に

ブラウン×ゴールド×

の凝った配色のものが気に入る。ショートヘアなのはそれまでのものと変わらない。

今まで見たことのない自分。

がいる。

移動して明るい照明の下で全身を見る。店員は、

韓流スターみたい。

などと、言いも言ったり…なことを言う。が、お世辞にせよ、

韓流スター

などとは、こういうことがなければ生涯、言われることもなかっただろう。

(◎o◎)/!(@^^)/~~~(#^.^#)(*^▽^*)(◎o◎)/!

今まで見たことのない自分は、なかなかに新鮮で、テンションが上がる。

遊ぼう。

おしゃれしよう。

楽しもう。

…そんな気になる。気になるお値段だが、

176000円。

迷いなく、カードで購入する。迷ってはいけない(*^^*)



 

 

 

 

 

 

カツラの写真は後日、アップ予定ですので、お待ちください<(_ _)>

(ブログの機能を駆使できず(/ω)