「がん」という冒険(54)

ブロンドウィッグの画像をようやく(52)にアップしましたのでご覧ください<m(__)m>

自分としては大冒険のつもりが、ウィッグデビューした時ほどの反響はなく、それほど驚きもされなかった。ただ、同居の長女αは「似合ってる」、寮暮らしの次女βは、「イケてる」と評したので、めでたい。

さて、祈り会である。一応、購入前にリーダー格の姉妹に、

「金髪で来てもいいですか?」

とお伺いは立てておいた。ダメと言われることもなかろうが、動揺されても困る。また、この頃は、本当にマリリン・モンローのようなウィッグを考えていたのである。

(-_-)/~~~ピシー!ピシー!(-_-)/~~~ピシー!ピシー!(-_-)/~~~ピシー!ピシー!

リーダー格の姉妹は、

「どうぞどうぞ」

と楽しみな反応。

思えば、去年の11月にがんの宣告を受け、抗がん剤治療が始まりウィッグを購入、ウィッグ(とは内緒)つけて祈り会に通い、半年にわたる抗がん剤治療が終わり、入院・手術の日程も決まってからカミングアウトしたのである。実に半年以上、事実をひた隠しにしていたのだから、今さら、金髪くらいで動じられるわけもない、とも思う。

そうして、ブロンドのニューウィッグで祈り会に出た。「似合ってない」などとはよもや言われるはずもないのだが、どうも違和感なく似合っているらしい。「金色×ブラウン×」の三種混合が自然な風合いで、値段を聞かれたり「つけてみたい」とも言われた。

ウィッグで祈り会に出るようになったのは去年の12月からだが、さすがに初日は緊張した。

「美容院でイメチェンしました~」

とごまかした。ごまかされた姉妹もウィッグだと気づいた姉妹もいるだろうが、まさか、

抗がん剤治療で頭がハゲて、カツラをつけるはめになった。

と疑う姉妹はいなかった。

ウィッグつけて祈り会に通う気力がいつまで続くかと思っていたが、私のがんに気づきもしない姉妹方、姉妹方をまんまとだましおおせていることが愉快になって、私は祈り会に行くのが楽しみになっていた。それまではメガネが多かったのだが、コンタクトにきちんと化粧もして、「可愛くなった」と言われるまでになったのである。

そうして、このブロンドウィッグで、「更に若くなった」と言われる。

( ^)o(^ )( ^^) _旦~~(^。^)y-.。o○( ^)o(^ )( ^^) _旦~~(^。^)y-.。o○

統計的には女性の9人に1人が乳がんになるらしい。乳がんに限らず、今ここにいる誰ががんになってもおかしくない。がんになったことを明かした今、私が明るく元気でいることが、姉妹方の励みにもなるのだと思う。

しかしながら…。祈り会では「祈りの課題」といって、自分や家族、周りの人達の悩みや心配事を提出する。そうして皆で祈る。当然のことながら、「がん」が祈りの課題にのぼることはとても多い。そうして、この日はとくに多かった。知り合いや友人、友人の夫が、

手術でがんが取り切れなかった。

転移の可能性。

抗がん剤の副作用がつらい。

…聞いているだけで怖ろしくなる。自分ががんになって、「がんが怖ろしい」と感じたことはなかったのに、今、こうしてがんの症状を聞くと怖ろしい。

抗がん剤も、私の代わりにがんと闘い、勝利してくれた。

そんな悪者扱いしなくても…などと思ってしまう。

不思議である。