「がん」という冒険(43)

早々と帰還である。

5日入院、6日手術…であるから、手術から2日しか経っていない。

退院予定は10日だった。

今朝、担当医兼執刀医のよしみドクターが様子を見に来られ、手術跡のチェック、痛みの確認、腕の上げ下ろし…すべて問題なし。

去ろうとするドクターに私は恐る恐る聞いた。

「前倒しで退院できないでしょうか?」

と、ドクターはいともあっさり、

「いいですよ」

「\(゜ロ\)ココハドコ? (/ロ゜)/アタシハダアレ?」

その上、

「今日(8日)の午後」

「 (/ロ゜)/アタシハダアレ?\(゜ロ\)ココハドコ?」

夢のようだった。

ドクターは、

「食事がダメ?」

昨日、チラと食事の不満を漏らした。それだけではないが、それは大きい。

今朝も、トーストしていない(温めてはある)食パン2枚にパックの牛乳、汁物に野菜の煮物風…。

薄味で歯ごたえのない老人食というか、病人食なのである。病人が食べるのだから病人食でいいはずだが、「病院食がおいしかった」という病院もあるらしい。

朝食は(-_-メ)だが昼食は(^^♪で夕食は(^。^)y-.。o○

なんてことは、あるはずがない。

主よ、憐れんでください。

と祈ってみたがダメだった。

術後の夕食(その日、初めての食事)は、私の苦手なゆでた鶏肉

(入院前に鶏肉NGと申告してあるのに)

事情を話せば別のメニューに取り換えてもらえるだろう、と思いながらその気力もなくなった。

買い食いしようにも、ここにはカフェ(喫茶)もコンビニもなく、昭和を思わせる売店がひとつ、これは4時に閉まる。

香り高いコーヒー、目にも鮮やかなスイーツが食べたい。

早く娑婆に帰りたい。

(-_-)/~~~ピシー!ピシー(-_-)/~~~ピシー!ピシー!(-_-)/~~~ピシー!ピシー!!

しかし、ここで病人食に忍耐することが主から与えられた試練ならば、致し方ない。

そう思いながら祈っていた。

なので、いともたやすく退院の許可が下りたのは感謝だった。

私は喜びのあまりドクターに言った。

「先生は女神のような方ですね」

誠に、何から何まで出来た方である。

手術当日、手術台の私にドクターが、

「がんばりましょう」

と言われ、私は。

「がんばりようがないのですが(笑)」

すると、ドクターは、

「(笑)がんばります」

と優しい。

そんな調子で、手術は無事に終わり、私は早々と退院できた。

その仔細はこれから更新するとして、取り急ぎ、退院のご報告である。

無事に帰ってまいりました(^◇^)

香り高いコーヒーに目にも鮮やかなスイーツ食べられて…幸せです。