「がん」という冒険(26)
娘αの大学の入学式の翌週、娘βが寮に入るため家を出た。
3月30日から入れるらしいのが、遅々として準備が進まず、大学が始まる直前の入寮となった。
なぜ、遅々として進まなかったかというと、
連日のように寝ていたから。
\(゜ロ\)ココハドコ? (/ロ゜)/アタシハダアレ?
私は手伝わないと心に誓い、何もしなかった。
買い物や寮の下見も夫にまかせた。
佐川急便が配送の引き取りに来たが、間に合わなかった。
そして先週、βはスーツケースに収まらないものを袋につめ、出がけに折りたたみでない傘までもって、
これで電車乗り継いで、寮まで無事にたどり着けるのだろうか?
とは思ったが、黙っていた。
手荷物にはクマのぬいぐるみまであった。
双子αβが幼少時からあるぬいぐるみで、私が片付けようとしたら阻止された。
ベンジャミン
という名らしい。
ベンジャミンを連れて行くβの心情(心寂しい、不安…?)は意外だったが、黙って見送る。
「怒らせないで」と連日βに頼んだのだが、ものの見事に、連日、βは私を怒らせた。
別れらしいことは何もせず、βと別れた。
その後、夫と姉のαはβと連絡を取っているらしいが、私は何もしていない。
そんなわけで…私は心静かに暮らせている。
そうして、8回にわたる抗がん剤治療も7回目を迎えることとなり、少々、余裕がなくなってきた感がある。
αの入学。
βの入寮。
そして、
私の入院。
である。
(-_-)/~~~ピシー!ピシー!(-_-)/~~~ピシー!ピシー!(-_-)/~~~ピシー!ピシー!
ここへ来て思う。
私は今まで、「自分ががんである」という自覚がなかった。そして、
今もない。
\(゜ロ\)ココハドコ? (/ロ゜)/アタシハダアレ?
これは、少し困る。現実に入院・手術…が行われるのだから、それに向けて段取りなどしなければならない。次の診察時にドクターに具体的な手術の日程など聞こう。…と思っていたら、
とうとう、明日になった。
ここへ来て私はようやく、前にドクターから言われた
「放射線治療」
について調べることにした。手術が「(乳房の)部分切除」になった場合、「放射線治療」が行われることになる…と言われた、あれである。
「放射線治療」というのは「抗がん剤治療」と同じように、耳慣れてはいるが怖ろし気な響きである。
実際に「抗がん剤治療」を経験してみて、
怖ろしいことは何もなかったが、他人が「抗がん剤治療」をしていると聞けば、大変だなぁ…と思う(ような気がする)。
そうして、これから受けることになるであろう「放射線治療」について、全く無知でいたくはなかった。そもそも、
放射線といえば、「発がん性」と思っていたのが、どうして「がんの治療」になるのだろう?
また、
手術してがんを切除した後に、どうして放射線治療を行うのだろう?
そんなことを、わざわざ(多忙でストレスフルな)ドクターに質問してご説明していただくわけにはいかない。
そんなわけで、7回目の抗がん剤治療前日に調べることとなった。
調べ始めてわかる。要は、
怖いのである。
むき出しにされる現実や、調べれば調べるほどに出てくる情報…。キリがない。考え出せば不安や心配はキリがなくなる。
必要な情報だけを検索し、疑問を解決する。
そうして、
放射線は、それほど敵視するだけのものではなく、有効活用できる。
また、
術後の「放射線治療」は、がんの再発リスクを低くするためのものであり、乳がんの場合「部分切除」と「放射線治療」はセットで行われることが通常。
とあった。
この場合、乳房全域に放射線治療を施すようだが、(がんで切除した以外の部位=がんでない)細胞に放射線照射していいのか?…と考えるが、そこには、最先端医療を駆使した、私の頭脳では理解し得ないものがあるのだろう。
日進月歩のがん医療におまかせするしかない。
ところで、
私の心配は別のところにもあった。
手術の際に、このハゲ頭をどうするのか?
ということである。先日の祈り会で、看護師だった★姉妹には、
手術中にはウィッグ(カツラ)は取る。
と言われ、それから悶々と悩んでいた。
自分でも正視したくないハゲ頭を、他人にさらしたくはない。
何か、ネットや帽子状のものをつけることはできないか?
そうして、ついでに調べてみた。
使い捨てキャップ。
医療用キャップ。
というものはあった。これを着用することができるのか? これもドクターに確認しよう。ただ…さらに調べてみると、
全身麻酔の場合、手術時は素っ裸。
それまで着ていた術衣も脱がされるらしい。(病院や手術の形式にもよる)
(-_-)/~~~ピシー!ピシー!(-_-)/~~~ピシー!ピシー!(-_-)/~~~ピシー!ピシー!
私の手術経験は、娘達を帝王切開で産んだのが最後で部分麻酔しか経験したことがない。全身麻酔で素っ裸にされた場合、術衣は元に戻されるらしいから、麻酔から覚めた時には「素っ裸」状態ではないらしい…が。
その辺のところも…明日の診察で、可能な限りドクターに確認しようと思う。