「がん」という冒険(47)

手術から2日目、この病院の朝食はパンらしい。

トーストされていない食パン2枚。

ただし、温めてはある。

小学校の給食についてきた小袋ジャムとマーガリン。

名糖のパック牛乳――。

その他、塩気も歯ごたえもない野菜と果物…。

「通常食」とある。

もう…限界。次はない。

とはいえ、退院予定は10日だから、明日と明後日…この朝食が続くことになる。

(昼食や夕食に不満がないわけではない)

お世話になった病院だし、悪口は言いたくない。

ただ、私は食べ物にうるさいわけでもないし、入院中においしいものを食べようとも思わない。大抵のものなら文句なく食べる。このようなメニューになるには、何か事情があるのだろう。

 

そうして、よしみドクターが病室に診察に来られた。様子を聞かれ、傷口を診る。

「大丈夫ですね」

異常なし…ならば…。私はおずおずと尋ねた。

「前倒しで退院できませんか?」

するとドクターは、いともたやすく、

「いいですよ」

「…………………\(◎o◎)/!…………………………」

「今日の午後」

「\(゜ロ\)ココハドコ? (/ロ゜)/アタシハダアレ?」

信じられなかった。

「先生は女神のような方ですね」

本当に、術後の痛みがなかったこともドクターの手腕だろう。その上、穏やかで心優しいのだ。

そんなわけで、手術二日目で、私は逃げるように退院した。

 

「今晩から明け方にかけて痛んでくるんやろう。常識や」

手術当日、そう断言した兄の言葉は当たらず、私は静かに聖書を読んで夜を過ごした。

3泊4日の入院。

浪人生のαと大学1年のβにほとほと消耗させられていた頃には、手術で入院することが「安全地帯への避難」のように感じていた。

それが…4月になっていきなり、αは楽しそうに大学に通うし、βは寮に入って快適らしい。全く…「嵐の前の静けさ」かと入院(手術)を恐れた。

それが…3泊4日、逃げるように退院とは…。不思議である。

今は、「嵐の後の静けさ」を味わっている。

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ここで、私のがん宣告から抗がん剤治療、手術…まで、私が不安になることなく、おまかせできた、よしみドクターをご紹介したい。

こんな医師がおられることに驚き、出会えたことに感動である。これも主の導きであり、主が私に最善の医師を備えてくださったと感謝している。

この記事でドクターの語られることと、やっておられることが1mmたりとズレていないことに、全く敬服してしまった。

よしみドクターは、このような方です。

患者さんがくじけることなく継続可能な乳がん治療の提供を目指して | 井手 佳美 先生(菊名記念病院)のストーリー | メディカルノート (medicalnote.jp)