イエス様とお金(3)

というわけで、株主優待券で2割引き、学割も2割引きで軽井沢までの乗車券を買うことができた。
祈り会に行って、「これから軽井沢までの切符を買いますので、(連休直前で買えない可能性もあった)どうかよろしくお願い致します」
と祈ったら、
「これ、使って」
大腸がんの手術を終えて退院、感謝の祈りに来られた姉妹で私は初めて会った。
こんなの、ドラマや小説にしたら、「バカこけ」である。
その上、娘Aは学割あり、学割取れなかった娘Bと私の分、きっちり2人分の株主優待券というのも出来すぎ君である。
しかし…娘Bの学割取れなかったのは勿体ないが、ここまでされるのは過剰サービスではないか?
という気がした。そこまでされるほど、旅費に困っていたわけではない。
こう言っては何だが、本当に安いチケット(バスなど)を手配してキャンプに行く人達もいるのである。
そうして、思いついた。
この4月、私は娘達と実家に帰省した。
この時、卒業前の3月に2人分の学割をgetしたのだが、
京都までの切符を購入したのが4月に入っていたため、
学割は無効にされた。
3月に貰った学割は「中学生」のもので、3月中は有効だが、4月に入るともはや「中学生」でなく、無効なのだと。
3月中に往復チケットを購入していればよかったのだが、
そんな固いこと言わんと…頼みますわ
と言ってもダメだった。京都までの乗車券が7880円の2割=1576円
往復で3152円。
これが2人分で6304円。
当時は悔しくて計算しなかったが、今、計算してみると…ドブに捨てるには惜しい…
金額ではある。
なので…この穴埋めに株主優待券だったのか…と納得した。主の憐れみ
である。
そして、帰りの軽井沢発の新幹線でも、不思議なことが起きた。
指定席は5月6日、21時47分の「あさま」であった。
連休最終日の軽井沢ということで、そういうことになった。
しかし…
当日、バイブルキャンプは後片付けも含め、午後2時には終わる。
10時近くまで何するねん?
親しい姉妹もいるし時間は潰せるが、娘達は翌日からは学校。
軽井沢―東京間は1時間あまりだし、時間を潰すお金も時間も惜しいと思う。
トランクに腰かけられるかもしれない
と自由席に変更しようと決意した。窓口では、
「連休最終日で相当な混雑です。指定席券お持ちなら、大事にされた方がいいと思います」
と言われたが…
祈って指定席をキャンセルし、自由席券を買った。
差額が3人で2000円余りあった。
どんな目に遭ってもいい…わけではないが、死ぬこともないだろう。
運を神に任せ、ホームに滑り込む「あさま」に乗った。
私は、トランクに座れたらラッキーだと思っていたので、乗車した辺りで立ち止まった。
身動き出来ないほどの混雑を想定していたが、それほどでもない。
が、娘達は空席を求めてか、先に進む。
ついて行くしかない。
自由席の通路は誰も立っていなかった。が、席は埋まっている。
娘達の後を歩いていると、通路側の席がひとつ、空いている。
「ここ、ダメですよね?」
と念のため、聞くと、「どうぞ」
「…!」
娘達を呼び、じゃんけんをさせる。
3人でじゃんけんしようとした娘達に、私は抜けると伝える。
当然やろ(^_-)-☆
娘Aが勝って、座る。娘Bが尚も歩くので、ついて行く。「座れないけど、覚悟しいや」
と言っておいたのだが、覚悟していないらしい。
そして…私はまた、空席を見つけたのである。娘Bは見落としたらしい。空席を確認して娘Bを座らせる。
よしよし…肩の荷が下り、通路を歩いていると…また空席。
私も座ることが出来た。
まるで…手品。
帰宅した時には、まだ軽井沢で時間を潰している時間帯であった。