シャネルを着る(3)

娘達の小学校の卒業式はとおに終わり、
卒業生は進学する中学校の制服姿が圧倒的に多く、卒業生の担任3人のうち、女性2人は、揃って袴姿。
1人は二十代の若い先生、もう1人は子供は社会人という年配。でも、
正装した担任が卒業生を引き連れて体育館に入場すると、もう、それで感動しました。
先生がピカピカ。
日頃はジャージみたいな恰好して、走り回ってるのが、正装してキリッと胸を張って入場する。
袴に髪も綺麗に編み込んで、学校は普段通りにありますから、早朝に美容院予約して…。
そしてまた、卒業生も胸にコサージュつけられて、堂々の入場。
結局、
卒業生の父兄なんて、添え物やね。
つくづく、つくづく…シャネルスーツ買わんでよかった。
胸を撫で下ろしたものです。
実を言うと、前回ブログでは、吊るしで100万のスーツなんてバカらしい、と靴だけ買って高島屋ブティック出たことになっていますが、
それは嘘。
気持ちに決着つかないまま、高島屋のフロアーを見て回ったのですね。
シャネルに入る前には、10万のスカート、20万のジャケット…見て、
一桁違うで。こんなん誰が買うねん。
と思ったのが、シャネルを出ると、
何も怖いものはない。
35万のスカートに65万のジャケットですから。
で、高島屋を出て、
シャネルスーツ買うのがみこころ(主の意志)でないなら、閉ざしてください。
と祈りました。そして、
父に相談しよう。
と思ったのですね。父を通して、主が語ってくださるように。大阪商人の父が、
「そんなもん、あかん」
と言えば、それが主のみこころと、あっさり、「わかりました」と引き下がるつもりでした。「やっぱり、そうだよね」みたいな。
父を通して、主が導いてください。
と祈って、父に電話したところ、
「欲しいんやったらかまへんで」
「…………」
「お祝い何しよか思ててん」
娘達の卒業&入学祝いのことを言っているらしく、
「そういう意味で電話したんちがうし。ちょっとお父さんの意見を参考にしよ思て」
「…よう相談してくれました」
そして…おいおいと泣き出し…。
認知も多少はいり、めっきり涙もろくなった父。
神様、シャネルスーツ、閉ざされないのですか???
「お父さんが英国屋で作ってたスーツっていくらくらいやった?」
参考までに聞いたら、
「30万」
そんな父が、吊るしのスーツ100万を、「かまへん」とは…。
ますますわからなくなり、
私にとっては母のような姉のような、同じ礼拝に通うT姉妹に電話したのでした。
「シャネルスーツ」と切り出したところ、
「ホンモノを買っておくとね、20年たっても型崩れしないし、大丈夫。高くない!」
元キャリア官僚夫人で、パリに10年在住したことのある姉妹は、ブランドにも詳しい。
(クリスチャンになって救われてからは、通販専門になったらしいが)
「でも、100万なんです」
「100万!!!」
「それを…父に相談したら『買ってもいい』と」
「あなた、口紅一本でも買えない、とか言ってたじゃない」
確かに、古〜い口紅をリップブラシでこそぎ取って使ってるんですね。
「だから、『魔が差す』というのは、こういうことかと思って。祈ってるんですけど」
「どうしてシャネルスーツなのよ」
「…たまたまシャネルブティックに入って試着して、一生ものだと思えば、高くないかとか思って」
「あなた、シャネルの100万のスーツなんて、私以外の姉妹には言えないわよ」
「私もそう思います。人には言えませんよね」
「まぁ、お父様に相談して、お父様が喜んだ、っていうけど、そのためにシャネルとはねぇ」
「イエス様らしくないですよね?」
「イエス様らしくない」
で結局、次の礼拝の帰り、高島屋に寄って、そのスーツを見てもらう約束をしたのでした。
ところが、翌日には、
憑き物が落ちたように「シャネルスーツ」に関心がなくなり、横浜に行って「ROPE」のスーツを買ったのでした。
不思議な経験でした。
ただ、「シャネルスーツを試着した」ことは、話のタネにもなり度胸もつき、よかったと思います。
そして、シャネルデビューで買った8万の靴は、
非常に履き心地が悪い。
布製なので履く時に踵(かかと)部分の滑りが悪く、靴ベラが必要。履いていても、すぐに踵部分が落ちてきて、
こんな不便な靴、履いたことないで。
8万あれば、食器棚買える、パソコン買える、旅行にも行ける…
そう思えば、トホホ…だけれど、
100万を思えば、勉強料…ということで。
100万のシャネルスーツと言えば、秋篠宮佳子様が話題になりましたね。
あ〜、あれはやっぱり、サタンの仕掛けた罠だったのでしょうか?