卒業式(3)

双子の妹βの卒業式である。

体育館に間隔(ソーシャルディスタンス)をあけて椅子が配置されてあったが、

双子の長女α(私立高校)の時とは違い、検温もなく、細かい注意もなかった。

ざわざわとしながらも、緊張感みなぎる空気。

BGMが流れ、担任教諭を先頭に、

卒業生入場

βの担任、T教諭(男性・数学担当)は3年間βの担任で、綺麗な薄ピンクのネクタイが輝いていた。

入学式の時もこんな感じで、

新入生入場

だった。

入学式、卒業式……生徒以上に、

教諭は胸引き締まる思いなのだろう。

私が大学生の頃には、一応、教員資格は取得したものの、

教師になどなりたいとも思わなかった。

それが、子育てしながら、

教師……大変だけどやりがいのある、素敵な仕事だなぁ。

と思うようになった。

入場する卒業生の中には、当然、娘βもいた。

遅刻してたら、こうして入場できなかったかもしれない。(どうなってたのか( ;∀;))

とりあえず……よかった。

式の中で、3年間、「無遅刻・無欠席」で表彰される生徒もいて、

我が娘βを思うと、もうこれは、

(表彰されるお子さんは)本人の努力以上に、神がこのように、つくられたのだ。

と思う。逆に言えば、

βは「朝、起きられない(その他もろもろ)」ように、神がつくられたのだ。

と思う(あきらめる)しかない。

何にせよ、卒業できたのだから、よかった。

その後、αの時にはなかった集合写真撮影などあり、教室に移動。

色々……心温まる催しがあった。

αの学校では、担任教諭への挨拶なども禁止されたが、βの学校ではそれもなく、

βを3年間、世話してくださったT教諭に挨拶した。

遅刻を含め、大変、色々……お世話になった。

スマートなT教諭は、味わった苦労は意にも介さない様子で、

「βさん、教師の間でも好かれてましたよ」

温かい学校だったから、個性を受け入れてもらえたのだろう。

感謝しかない。

最後に、βは寝坊して朝、何も食べられなかった。

「『お腹減りました』って面と向かって言われて……」

「\(゜ロ\)ココハドコ? (/ロ゜)/アタシハダアレ?」

「卒業祝いの紅白饅頭を食べたみたいです」

「\(゜ロ\)ココハドコ? (/ロ゜)/アタシハダアレ?\(゜ロ\)ココハドコ? (/ロ゜)/アタシハダアレ?」