エトロを着る(2)

服というのは、思えば不思議だ。
勝負服。
という言葉が流行ったが、
確かに気分を作る。センスや好みも出るし、印象も違う。服が人をつくる。
部分もあるのではないか?
100万のシャネルスーツを通して色々考えさせられたわけである。
娘2人が高校生になる。
今だからわかる。

若い頃など、「おしゃれ」する必要ないのである。
老いて行く今でこそ、「手入れ」を要する。
年を経るほど「おしゃれ」すべきなのである。
そんなわけで…卒業・入学の式服探しに高島屋を回り、エトロショップに立ち寄り、
ジャガード織りのジャケットを試着した。
190000円、税込みで205200円。3年前に試着したシャネルスーツのジャケットは65万だったから、
こんなもんか。
である。
裏地が派手で、ちょっとヤクザみたいなのも面白い。「サイズ(9号)はぴったりですね」

明るいブルー系で、ジーパンにも合わせられる。
気には入ったのだが、やはり200000の買い物となると時間を置きたくなる。
店員の名刺貰ってフロアーに出た。「おしゃれ」を愉しんでいいのではないか?
そんな気分になっていた。
エス様を信仰してから、
人に振る舞うのはいいが、自分のためにお金を使えなくなっていた。
(自分のためにお金使うのは悪)
そうして、ポールスミスというオンワード樫山のブランドでパンツスーツとブラウスを買った。
(こちらも9号でお直しなし)
そして、そのパンツスーツ+ブラウスのままエトロに戻ったのである。
「お帰りなさい」
と言われた。
ジャケットだけをツィードに着替える。「いいですねぇ」
私も納得した。

ポールスミスは卒業式、エトロは入学式ということで、こちらも購入した。
そうして、3年前にシャネルブティックで購入した80000円のシャネルシューズを(100均の中敷き入れて)履いた。
私学の高校に進む長女の入学金は190000円。
公立高校に合格した次女の入学金は5650円。
ということで…勘弁願おう。