5グラムの命(1)

それは…先日の日曜、娘A(双子の姉)と礼拝に行った帰りの出来事でした。
雨に濡れた地面に、薄ピンクの半透明の芋虫みたいなのが落ちています。
こういうのに敏感な娘Aが、とっさに反応してしゃがみこんで覗き込みます。
小さいながら蠢(うごめ)いてるんですね。
私はこういうの、あまり得意ではないんですが、礼拝の帰り…というのも関係したのか、
一緒に覗き込みました。

おそらく、母の胎から出て間もない、産まれい出たばかりの「命」としかいいようのないものでした。
きよらかなんですね。
糸くずみたいな尻尾がついていて、何だか感動的です。
2年くらい前、娘達が学校から蚕(かいこ)を持ち帰り、桑の葉を取ってきてはあげて育てたんですね。
この日、坂道を上りながら桑の葉見つけたAが、
桑の葉見ると、カインのこと思い出すよ」
などと言ってたのです。
「カイン」と娘B(双子の妹)が名づけた蚕は、繭を作る前に亡くなって、2人に大泣きされました。
どうしてこんなところに落ちているのか、わからないのですが、
エスさま
としか思われず、ふと見ると、
マンションの金網越しに、もう一匹。
それは生きてるけど…アリまみれ。
「アリに食われる!」
とA。これはもう…救済しないわけにいかない。
猫にしては小さすぎる、正体不明だけど哺乳類らしい。
救済してからどうするか、はわからないのですが、
見捨てられない。
私ひとりだったら、見つけても見捨てたでしょうけど、
礼拝の帰りだし、
自転車だったら通り過ぎてたのに、朝、雨だったので、歩きで出かけたことも、
神のご意志のような気がして…。
2匹の生命体を持ち帰りました。
夫は、(私の帰省中)夏の坂道で遭難していた狸(たぬき)を持ち帰り、苦心惨憺して動物園に引き取ってもらったような人なので、2匹の生命体を温めて、娘達と動物病院に行きました。
生命体は、齧歯類(げっしるい)(りすやねずみなど、前歯が伸び続ける)であるらしい。
体重5グラム。
「キャットミルク」なる粉ミルクとスポイドを持ち帰り、粉ミルクを溶いて、スポイドで生命体にあげていました。
これらに詳しい夫の弁では、
「明日まで生きてる確率は…95%ダメ
つまり、5%。
まだ目も開かず、オスかメスかも不明。本来なら母親におっぱいもらってるのでしょう。
何でも、生まれたての赤ちゃん同様、2時間おきに授乳するとかで、
夜中の12時、2時、4時…6時…
にキャットミルクをあげるのは、
娘A、Bがヤル気ですけど、
どうせ、私でしょ!?
はいはい…。
元々眠りは浅いので、きっかり2時間おきではないけど、やりましたよ、ミルク。
で…。
何とか、峠を越えることができました。