5グラムの命(2)

前回、10日付のブログに「峠を越えました」と書いたのですが、実は、
峠を越えたのは片方だけ。
アリまみれだった方は、翌日亡くなってしまいました。
病院に連れて行って、家でお世話してミルクあげてからは元気だったのですね。
ほんの小指の先ほどの大きさで、口の大きさと言ったらペン先くらい。それが、
ミルク飲んで、キューキューと鳴いて…。
「95%ダメ」なんて…信じらげれない。
私が夜中のミルクを担当。
溶いた粉ミルクをスポイドで吸い上げ冷蔵庫で保存。
それを、与える前には人肌くらいにして、口元に垂らします。
食べた後には、コットンを濡らして、これも人肌、腹部をマッサージして排便、排尿させます。
なんか、寝たきりの介護とか、生まれたての赤ちゃんとか…こんな感じですよね。
(私以外は)元気に朝を迎え、翌月曜、娘Aは学校休んでお世話しました。
「目が開いたら、どんなに可愛いだろうねぇ」
と昨夜、妹のBと話していました。生まれたての赤ちゃんも、あまり目を開かなくて…同じですね。
この日、子供部屋で静かにしていたAだったのですが、突然、ウォ〜!獣のような鳴き声、否、泣き声…。
「死んじゃったよ」
さっきまで、元気だったそうです。
「95%ダメ」と聞いてなければ、突然死みたいに受け取ったと思います。
夫に電話で知らせ、埋めました。
そして、月曜の深夜は…「どうせ私でしょ?」と開き直りモードだったのですが、
見事に寝過ごしてしまい…。
死んでたら…私のせい?(だよね)
おそるおそる見たら…元気に生きていました。
何でも、最初5グラムだった体重が4グラムになっていて、減らさないように。3グラムになったら危ない、と言われていました。
寝過ごしたのは内緒にして、目覚めた娘達に、「元気に生きてるよ!」
そして火曜日は娘Bが学校を休みました。(事情は学校側に話してあります)
片割れが亡くなって、残りの命がますます重くなり…。
こんなに親身に世話してるのに、
名前もつけてない。
否、
(いついなくなるかと思うと)怖くてつけられない。
水曜日…。
体重は4グラムのまま、生命体はそれなりに元気で、「命」そのもので、私が世話をするということで娘達を学校に行かせました。
世話していると自然に情も沸いてきます。
キュキュー鳴くのも可愛いし、小さな小さなツマミみたいな心臓が動いてるのも感動的で、濡れたコットンで食後にマッサージすると、糸くずみたいな糞が出てくるのも不思議です。
一方で、前回の「突然死」のことがありますから、いつも気になるわけです。
娘達が帰宅しない間に亡くなったら、「私が死なせた」ことになるようで…。
何とも落ち着かない。
娘達が帰宅すると、ほっ、とします。
そして、ようやく娘達も生命体に名前を付けました。
週末は夫に世話を任せていたのです。
すると土曜日…。
携帯が鳴って、ルー(生命体の名前)の突然死を知らされました。
「さっきまで、元気だったんだよ。本当に、わけがわからない」
背後で娘2人の号泣する声。
4グラムの命…。
何のためにここまで世話をするのか?
いつまで、こうしてられるのか?
思いながら、自問しながら…の一週間でした。
ただ、「命」だから守った。
私達が守る以外にない「命」だから、守るしかなかった。
理由はわかりません。
ただ、5グラムの命の重さを、家族で経験できたのは、よかったと思います。