「変態家族 兄貴の嫁さん」7連発

心情的には、日本経済新聞に「失楽園」を発表した渡辺淳一だった。
渡辺淳一先生なら、例え、反響が悪くても干される、などということはなかったろうが、
私としては、「こんな人には二度と仕事は頼めない」と思われても仕方ないと思っていた。
何せ…。
通巻673号を数える、梅若研能会の機関誌「橘香」のエッセイに、
「変態家族 兄貴の嫁さん」
を連発してしまったのである。
キタ Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒(。A。)!!!
こともあろうに、お能の読み物に「変態家族 兄貴の嫁さん」連発してしまったのだ。
「変態家族 兄貴の嫁さん」
どうして見てもいない映画のことを、こんなに引きずってしまうのだろう…と自分でも不思議だった。
その理由をここ数日、考えていた。そして、ある結論に達した。
タイトルである。
「変態家族 兄貴の嫁さん」
この、人前で口にするのは、なかなかに勇気のいるようなタイトルである。
一度聞くと忘れない。耳に残る。口にすると、何故か連発したくなる。何故か、言いまくりたい衝動に駆られるのだ。
そして、口にはしてないと思うが、活字にした。
2400字の文中に7度も、「変態家族 兄貴の嫁さん」と書いているのだ。
イクナ--(゚∀゚)-( ゚∀)-( ゚)-( )-( )-(゚ )-(A゚ )-(゚A゚)--イ!!!!!
エッセイのタイトルは、「小津映画と能」すごく偉そうである。これがなんで「変態家族 兄貴の嫁さん」かというと…。
滑り出しは公開中の周防正行監督、終の信託で、周防監督のデビュー作は実は、ピンク映画の「変態家族 兄貴の嫁さん」
これは、小津安二郎大好きな周防さんが、小津監督の名作「晩春」のパロディ(?)みたいにして創った映画である。
「変態家族 兄貴の嫁さん」は見たいけどレンタルビデオ屋でも見かけず、娘達の目もあってアマゾンで購入もできない。
悔し紛れに「晩春」をレンタルする。
というような流れで、この「晩春」には、実にクライマックスシーンで能の舞台が登場するのだ。
来年は小津安二郎の没後50年である、と我ながら綺麗に締めたと思う。それでも…
「変態家族 兄貴の嫁さん」7連発は気になっていた。
そして…。
やはり担当からクレームが来た。
「あの〜『SEX』という言葉が文中に3度も出てきて、もう少し婉曲な表現にしていただけないでしょうか」
確かに映画「終の信託」について「SEX」という語彙を3度使っている。お能世界では「SEX」は露骨な表現らしい。
了解。
「他には…?」
と聞くと、
「他には特に…」
「だって…ピンク映画とか」
ピンク映画も「SEX」と同じく3度使っている。
「これは、他に言いようがないでしょう」
そうか、「ピンク映画」OKなんだ。懐(ふところ)深いじゃないの…と思う。
で、
『変態家族 兄貴の嫁さん』は…?」
これは、実に実に…2400字、原稿用紙6枚の文章で7度も使っているのだ。
「これはもう…変えようがありませんよね」
確かに、そうなのである。そうか…「変態家族 兄貴の嫁さん」が「橘香」で活字になるのか…と感慨深いものがあった。
そして次に…
「こういうのも面白いですね。また、お願いします」
ニャハハハ!!ヾ(▽^ヾ)ヾ(  ̄▽)ゞニャハハハ!!
そんなわけで、「小津映画と能」の掲載された「橘香」11月号を今日、担当から20部受け取った。
「来年もお願いします」
ドモ\( ̄▽ ̄*)(* ̄▽ ̄)/ドモ