禁断(1)

善よりも悪、表より裏、薬より毒、太陽より月…に引かれる傾向があり、つまるところ、
背徳的とか禁断とか…自分でやる勇気はないけど、傍観するのは大好きです。
そんなわけで、いきなりですが、
近親相姦というものには興味がありました。文学的にも珍しい題材ではない。
でも…「近親相姦」と言いながら、
義理の関係で血は繋がってない。
とか、
血は繋がってるけど、繋がってること知らなかった。
とか、
性的虐待のような、一方的なもの。
とか…。
どこか言い訳がましく辻褄合わせのようなものが多いように思います。
もっとストレートに、
親子が、きょうだいが…男と女として禁断の道を踏み外す…。
みたいなこと、外国物は別として、日本では難しいのかな…と思っていました。
青木琴美原作の漫画、「僕は妹を好きになる」は二卵性双生児の兄妹の恋。松本潤、栄倉奈々主演で映画化もされ、原作は読んでいませんが、兄妹の純愛。禁断の純愛…。
血の繋がった家族と言えど、男と女の集まり…。普通にあっては困るけど、例えば、
尊属殺人があるなら、近親相姦もあり…
なのではないのかと、密かに思っていました。
そうして、ようやく、出会いました。
母と息子、禁断の愛
を描いた小説。それは、
北泉優子原作『魔の刻』(まのとき)
ご存知の方もおられると思います。1985年に岩下志麻坂上忍主演で映画化されています。私もレンタルで見た覚えがあるものの、大して印象にはない。調べてみると、この映画は、原作のその後、禁断の道を踏み外した母と息子…のその後から始まっているとか。原作を読んだ岩下志麻が、これを企画に持ち込んで4年後に映画化されたなどとありました。これは原作を読まねば、と思い、図書館で予約して読みました。ホント、図書館というのはありがたいものです。この小説、結構、長い。
もう、こっちは、母と息子の近親相姦、母と息子の近親相姦、
いつ来るか、いつ来るか、いつ来るか…
イントロはエリートサラリーマンの妻、涼子の退屈な午後から始まります。そこへ掛かって来た夫の浮気を知らせる一本の電話。
東大から超一流企業の社長秘書長となった夫の女性問題を涼子は知ることとなります。この涼子、43歳。女子大を卒業した年に結婚して二十年。恵まれた生い立ちに美貌、一人息子の深(ふかし)は浪人生と言えど目指すは東大。本人は悩める人妻でも、世間一般には「恵まれた奥様」なわけです。そんな涼子が、夫と息子の間で居場所を失い、自分の存在意義を見出せず、遂には新宿で男漁りに走り…。
色々書かれているのですが、こちらはもう…
母と息子の近親相姦、母と息子の近親相姦ハハトムスコノキンシンソウカン…
しかたなく…
いつやねん。いつやねん。まだかいな…。
そうして中盤、深(ふかし)はまたもや、東大受験に失敗し…。
やがて、
第8章 「禁じられた絆」
キタ Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒(。A。)!!!
となるわけですが…。