禁断(5)「さらば美しき人」

「美しくも哀しい兄妹の悲劇。血みどろの残酷絵巻が幕を開ける」
DVDパッケージのコピーです。
「さらば美しき人」――1971年イタリア映画です。どうして、こんな邦題になったのか、ピンと来ません。原作はシェイクスピアと同時代の劇作家、ジョン・フォード(あの有名な映画監督とは別人です)の「哀れ、彼女は娼婦」――深津絵里三上博史で舞台化もされました。「裏ロミオとジュリエットとも言われる名作だそうです。「裏ロミオとジュリエット」…うまいこと言う、と感心します。だって、これ、
実の兄と妹との近親相姦
ゴルァ━━━━━━(゚Д゚)━━━━━━ !!!!!
なんで、「さらば美しき人」なんでしょうね。内容的にも、
(ヽ>ω<)ヒイィィィ!!●~*ヒイィィィ!!(>ω<ノ)ノ
で…、どこが「さらば美しき人」やねん( ̄‥ ̄)=3 フン
久々に見て、見たら、やっぱり…凄くって、
見、見、見てしまった…( ̄Д ̄;) ガーン
一人胸のうちに収めておけずに、ブログ更新します。
まずはこの映画、過激でグロテスクで目を覆いたくなるけど、格調高く、何処までも美しいです。まず、妹役がシャーロット・ランプリング地獄に堕ちた勇者ども」と「愛の嵐」の間の作品、20代半ばです。若く美しいだけでなく、「退廃の匂いを感じさせる稀有な女優」であります。
舞台は中世のイタリア、10年ぶりに故郷に帰ったジョバンニが美しく成長した妹、アンナベラに一目で恋に落ちることから悲劇は始まります。白人の美男美女兄妹ってとこが、「ずるい!」(だって、それだけで絵になってしまうもの)まぁ、致し方ない。
兄が修道士の友達に苦しみを打ち明けるところから、映画は始まります。
「すべての人に許されることが、どうして僕にだけ許されないのか…」
「妹など、僕は知らない。一人の女だ」
現実に置き換えてみると、
小学生だった妹が、会わないうちに大学生になってた。
それも、絶世の美女。
キャ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
逆でもいいです。小学生だった弟が、次に会った時には大学生。
しかも、超イケメン!
キタ─wwヘ√レvv〜(゚∀゚)─wwヘ√レvv〜─ !!
尋常でいられるもんでしょうか。
妹は近く、良いお相手と結婚がまとまりそう。
「僕は妹のベッドにも入れないのに、奴はベッドで何をしてもいいのか」
修道士の友達に訴えます。
そらそうやろ…と思うけど。ジョバンニは苦しい、死に至るほどの恋の病…。空井戸に飛び込んで、我が身を痛めつけ…。
絶対に愛してはならない女性を愛してしまったジョバンニ。当然、苦しみます。井戸の中でジョバンニは悟ります。
僕を駆り立てるのは欲望ではなく運命だ。
確かに、実の妹を好きになってしまったのは、抗いようのない、逃れようのない、運命…としか言えないのかもしれません。悪魔の仕掛けた罠のような。
遂には妹を散歩に連れ出します。その鬼気迫る表情は、「妹」に向けられるものではありません。飢え乾いた男。ジョバンニは思いを告げます。
「僕は病気で死にそうだった」
|* ̄Д ̄*||*-д-*||* ̄Д ̄*||*-д-*|ウンウン
ジョバンニは剣を出して、これで自分の胸を突け、とアンナベラに言います。
「この胸を裂けば、言葉で言えない真実を記した心がある」
妹を追い詰めていくジョバンニ。妹は「死ぬ」と言います。そして、
自分は兄の百倍も泣いた。
兄を愛してると言えなかったから。
な〜んだ、相思相愛だったのね。
( ゚^∀^゚)゚。アーッハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \
…なわけないやろ〜ウー c(`Д´c)
これは、地獄への道行き…。
この時の、アンナベラ演じるシャーロット・ランプリングの表情…哲学的で芸術的で…何とも言えません。
美しく魅力的なだけでない、「退廃の匂いを感じさせる稀有な女優」シャーロット・ランプリングを妹に起用したところが、この映画、にくいと思います。
美しさと色気が全面に出すぎると、安っぽい映画になってしまうと思うんですね。
僕を駆り立てるのは欲望ではなく運命だ。
にならず、ただ、妹のフェロモンに骨抜きになったエロ兄貴になりますから。
日本の女優なら…確かに、深津絵里なら悪くない。松たかこ、広末涼子…ちょっと見てみたい!
互いの思いを確認した二人、次のシーンでは、二人して母親の墓の前で、「お互いを欺かない」と誓います。
母親が喜ぶとは思えない。
けど…。兄と妹が結ばれるというのは、こういうことなのか、という気はしました。
そうして、相思相愛の兄と妹…。
死のような呪縛から解き放たれた二人、自由を謳歌するように愛し合います。
この辺も、濃厚なベッドシーンではなく、白旗のなびく砂丘を二人が馬で通り過ぎたり…(何故、白旗なのか…多分、意味があるのでしょうが(汗)何せ、森林の木々に白旗がたなびいている。とても印象的です)で…
妹は妊娠してしまう。
そして…修道士の友達も巻き込んで、
アンナベラは、妊娠を隠して結婚することに。
この辺の時代背景、よくわからんのですが、ジョバンニは、死神のような顔でアンナベラの結婚式を迎えます。アンナベラは最初、結婚相手を拒絶しますがようやく結ばれた時、
当然、処女だと思ってた新妻は処女ではない。(隠しおおせなかったのでしょうね( 〃▽〃)ノ )
おまけに、妊娠まで発覚してしまう。
男のショックは、いかばかりか…。腹の子の父親を問い詰めるも、アンナベラは白状しません。出来るはずもない。
そうして…。
アンナベラは兄、ジョバンニに、妊娠がバレたことを告げます。兄はもう、嫉妬の鬼と化しています。兄妹の近親相姦が公になるのも時間の問題。逃げ道はありません。そして…
ジョバンニはアンナベラの心臓を突いて殺し…
アンナベラの夫、親族の宴会の席で、アンナベラの血まみれの心臓を振りかざして、
妹の心だ
この中に僕の心も包んだ
と叫びます。
(もう、私は心情的について行けなくなっています)
確かに、心臓=Heartだし、それからすると、
アンナベラから取り出した心臓は、アンナベラの心、そのもの…ということにもなる。
「この胸を裂けば、言葉で言えない真実を記した心がある」
アンナベラへの恋を告白した言葉とも重なります。
( ̄o ̄(_ _( ̄o ̄(_ _ウンウン
ここから、
「美しくも哀しい兄妹の悲劇。血みどろの残酷絵巻が幕を開ける」
という展開になります。これ以上、多くを語りたくありません。
ゴクッ 旦(ー ̄ )三(  ̄3);.;.マズ-!!