「人はかならず、やり直せる」(2)

彼らに言いなさい。
私は生きている、と主なる神は言われる。
わたしは悪人が死ぬのを喜ばない。むしろ、悪人がその道から立ち帰って生きることを喜ぶ。
立ち帰れ、立ち帰れ、お前たちの悪しき道から。
イスラエルの家よ、どうしてお前たちは死んでよいだろうか。
             エゼキエル書」33章11節
拘置所の中で藁にもすがる思いで聖書を読みふけり、作者、進藤龍也はこの一節に出会います。この時の気持ちを、次のように表現しています。
「読むたびに神の御言葉は立体的に浮かび上がり、自分の心に染み渡っていった。こんな幸福感を味わったことは、それまでの一生で一度しかなかった。独居房にいた私は、あまりの嬉しさに万歳をしながら、『やった、やった』ととび跳ねた。担当看守に怪訝そうな目でにらまれ、『おい、おとなしく座ってろ』と注意されてしまうほどだった」
つまり…あの、
「頭がスーッとして、天にも昇るような感じがした。すべての毛髪が逆立つような感覚にとらわれ、あまりの気持よさに鳥肌が立った」
という覚せい剤の快感を上回る幸福感を経験したわけなのですね。これはもう、やめられまへん、止まりまへん…ですな。
"°・:,。★\(^-^ )♪ありがとう♪( ^-^)/★,。・:・°"
「第二の人生の出発点を、私はこの一節によって与えられた。私は神様に覚えられている。さらに神は、私が人生をやり直すことを望んでいる。それまで聖書についてまともに学んだことがなかった私だが、なぜかそのことだけははっきりと実感できた。確かに神様はいる
進藤氏は、信仰にのめり込むきっかけとなる、稀有な経験をしたわけです。私が通う教会の牧師夫人、瑛子さんに言われたことなのですが…。
「霊的に成長するには時間がかかる」
「霊的に成長する」…聞き慣れない言葉です。つまりは、霊的に…理屈や言葉では説明できないかたちで信仰が深まる、ということでしょうか。私の場合は、まだ、聖書や牧師の言葉に感動したとか、クリスチャンになって永遠の命を与えられたとか、神がいつも守ってくれているという安心感…で、例えば、キリスト教弾圧でクリスチャンが受けた拷問などにさらされれば、いともたやすく寝返ってしまうでしょう。
瑛子さんは言います。
「霊的に成長するには経験が必要なの」
その経験…とは、おそらく、この進藤氏が経験したような、神の起こした奇跡としか思えぬような現象なのでしょう。本人にしかわからないものかもしれません。
そこで私は納得します。古い映画を見ていると、弾圧されたクリスチャンは火あぶりにされたりライオンに食われたり、拷問受けたり…ろくな目に遭いません。
もう、どこが神様よ〜!
(ヽ>ω<)ヒイィィィ!!●~*ヒイィィィ!!(>ω<ノ)ノ
命と引き換えにしてまで信仰を守るところについて行けなかったのですが…。結局、
火あぶりにされてもライオンの餌にされても、それでも挫(くじ)けないだけの、神が絶対であると確信する奇跡を体験しているのですね。
私は、まだかも…。
あ、進藤氏のように、聖書をむさぼり読んでない。
( 。-ω-)-ω-)-ω-) シーン・・・
もう、進藤氏の頭の中は聖書や神、イエス様のことでいっぱい。神に愛されているという感覚は何ものにも替えられるものでなく、心がどんどん穏やかになり、様々な変化を遂げたそうです。
逮捕から3ヶ月後、懲役2年4ヶ月の刑が言い渡され、進藤氏は東京拘置所から島根県の松江刑務所に送られます。神様を知った以上、やくざであり続けることは許されないと刑務所に脱会届を出します。そして何と…刑務所の中で国際聖書通信学院が無料で行っている通信講座を受け始めるのです。受刑者は「親族以外からの手紙は受け取れない」決まりがあるものの、神が祝福を与えてくださいます。
進藤氏が刑務所から申し込みをすることは無理。母親に送る封書の中に申込書を同封することが許され、講座開始後は、テキストを受け取った母親が手紙と一緒にテキストを進藤氏に送ることが認められます早く次のテキストが読みたくて、いつも歯がゆく感じていたそうです。高校1年で退学になったやくざが刑務所の苦学生泣かせるではありませんか…。
やっぱりこれ、神の起こした奇跡…ですよね。
18歳でやくざになり、首までどっぷりその世界につかって3度の刑務所暮らし(通算7年の懲役)まで経験した男が、32歳で出所して、堅気の世界、それも牧師になろうと言うのです。
自分は本気でも、前科者の社会復帰は至難の業。まともな仕事は見つからず、昔の客から覚せい剤の注文、復帰しないかという話…。あまりにしつこい客に他の売人の電話番号を教え、深く後悔するようなことも。
「刑務所に入っているときは、誰もが1日も早く外の社会に出られることを願うものだが、いざ外に出てみると、世間の風当たりの強さに直面し、新たな闘いが待ち受けていることを実感するのだ」
ヾ( ̄_ ̄ )/\( ̄ー ̄)/\(  ̄− ̄)ノ゛ドモモモ・・