湿ったような感じ。
饐(す)えた、懐かしい匂いが漂うような…。
首筋をひゅるりと風が撫でていくような…。


映画「結び目」http://www.youtube.com/watch?v=my17QnrQTvcからは、そんな感覚が伝わった。

私が所属するシナリオ作家協会
その中で毎月行われるシナリオ倶楽部では、赤坂にあるシナリオ会館で様々な映画が上映される。
「結び目」は、6月に渋谷イメージフォーラムで公開される。一般公開に先駆けて、監督、脚本家を招いての上映会だった。
私が、この映画を見ようと思ったのは、脚本を書いた港岳彦(みなとたけひこ)氏に興味があったから。
なぜ興味があったかと言えば、私が親しくさせていただいているピーター先生こと、桂千穂氏、『復讐するは我にあり』等で知られる脚本家、馬場当氏との会話の中で、自然とこの名前が登場し、認知することとなったのである。なぜか、「見なければ」と思った。予感のようなもの。そして、その予感は…的中した。

ピーター先生の影響で日活ロマンポルノに興味をもった。ブログに更新するにあたり、DVDを熱心に見た。
先生は言う。

「低予算での男と女のセックスの世界。これは、ドラマの究極です」

本当にそうだと思った。
話題のベストセラー、人気コミックの映画化…ではない。
制作費○億円ではない。
売れ筋の人気俳優は出ない。
限られたセットの中で、男と女が愛と性のドラマを奏でる。
話題性や人気、流行…に頼らない。
逃げも隠れもしない「覚悟」を決めた潔(いさぎ)よさ…みたいなものを、私はロマンポルノから感じる。
そして、それと同じものを、この「結び目」に感じた。


ポルノではない。過激なSEXシーンもない。
しかし…。
エロではないけれどエロティック。
首筋に息を吹きかけられるようなこそばゆさ、何とも言えぬ皮膚感覚…。
圧倒的な官能の世界…。
大好きな監督、神代辰巳を彷彿とさせました。


すっぱ〜 (^*^)> (^*^)> てぃ〜っす!


認知症の義父を介護しながら専業主婦の日々を送る絢子。
腕が良いと夫から教えられたクリーニング屋へ、夫のクリーニングを持っていく。
そこで出会ったクリーニング屋の主人は…中学生だった絢子と禁断の恋に落ちた中学教師だった。
14年ぶりの再会…。
純粋な気持ちから始まった関係だったが、小さな町ですぐに噂となり、男は教師をクビになり、絢子も町を去って行った。
過去を封じ込め、息を潜めるようにしてそれぞれに家庭を築き、ささやかな幸せを築いていたのだが…。


「結び目」…映画を見るに従い、タイトルがたまらなくなりました。
中学生の絢子が制服の襟元に結んでいた赤いリボン。それが、とても象徴的に切ないくらいリリカルに使われています。


「今の私は、あの男が作ったんだ!」


――男の妻に訴える絢子。
その情念と狂気…。絢子役の赤澤ムックが見事に演じていました。


「結び目」…。
十代の頃の記憶って、ありますね。まるで映画のワンシーンのように、切なく思い出される記憶が、誰の中にもあると思います。
思い出すと胸が潰れそうになるけれど、それも人生の流れの中で通り過ぎていく…。
私は、そのように感じました。


上演後、脚本家の港岳彦、監督の小沼雄一、両氏のお話がありました。
港さんは、とても朴訥(ぼくとつ)なイメージ。ちゃらちゃらした「シナリオライター」とは真逆の人。この映画、制作費「1000万」と公表しているものの、実は◯00万。9日間で撮影したそうです。
「宣伝もろくに出来ないので、よろしくお願いします」
と言われたのが、心に染みました。
私が「ブログもってるのでアップします」と言ったら、港さんも小沼さんも救われたような笑顔…。


(*^^)/。・:*:・゜★,。・:*:・゜☆アリガトー!
港さんのブログはhttp://takehikominato.seesaa.net/
小沼監督HPhttp://ospage.jp/

「結び目」は、6月下旬、渋谷、イメージフォーラムにてレイトショー上映。
前売り買って、ピーター先生か馬場さん誘って行きますね!


ヤァ \(⌒∇⌒(⌒∇⌒(⌒∇⌒)⌒∇⌒)⌒∇⌒)/ ヤァ