ピーター先生も絶賛(^○^) 映画「結び目」

トークショーが終わり、ピーター先生も私も席を立った。先生はいつも、客席、最後列の出口寄りの席に座る。理由は「すぐに帰れるから」。
せっかちという性格は一生、変わらないらしい。急ぐ用事がなくとも、いつも早足で信号待ちなどイライラしている。上映が終わり、トークショーが終わっても、「どうでした?」と聞けないでいた。私が誘った手前、野暮な気がしたし、先生の反応を黙って待った。
と…。
「パンプレット買わなきゃ」
「……!」
驚いた。これは…想像以上、想定外の反応。尋ねたこともないが、先生が自腹で映画のパンフレット買うなど、滅多にないのではないか。書斎には試写会映画のパンフレットが散逸して、それを「持って帰りませんか?」とこちらに押しつけるのである。(世代的に捨てるのは勿体ないのである)先生くらいになると、ただ面白い、満足した…ではパンフレットは買わない。この映画を、「もっと知りたい」そんな興味や好奇心を駆り立てられたのだ。案の定、
「映画観ただけじゃ、何もわからないからね」
「・:*:・゚☆d(≧∀≦)b゚+.゚イイ」
私は勿論、買うつもりでいた。先生が受付でパンフレット買うのを、小沼監督、脚本の港さんが嬉しそうに見ていた。500円のパンフレット、先生が私の分も買ってくれるのかと思いきや、先生「お金が(財布に)ない」とかで、「あなた80円もってますか?」と、逆に80円貸すことになる(^◇^;)そんなことはまあよい。私が自分のパンフレット買ってる間に、先生は映画館前で監督と脚本家に映画の感想、賛辞を述べ、お二方はそれを神妙に聞いておられた。私が近づくと、
「この人に誘われなかったら、見なかったからね」
「(^-^)v」
何を隠そう、ピーター先生、「(「結び目」って)ピンク映画でしょ?」とか「(監督は)『いまおかしんじ』じゃないのか…(-_-;」(注・いまおかしんじとは、今、ピンク映画界で最も評価の高い監督)あまり期待はされてなかったようなんですね。だから、猶の事、映画に衝撃を受けられたようで…。
溢れんばかりのピーター先生の賛辞に、
「こんなこと、滅多にないんですよ」
と港さんに言ったら、
「知ってます(^ー^)」
YAH♪☆0(^^0)*^^*(0^^)0☆♪YAH
とにかくよかった。渋谷に出直した甲斐があったぜ!というのも…。
ブログにも書いたように、ピーター先生とは2日、午前11時〜の部に行く予定で待ち合わせ、渋谷まで出たんですね。
「先生、イメージフォーラムって場所、ご存知ですか?」
「多分、あそこだと思うけど」
宮益坂の方らしいですけど」
宮益坂に映画館なんてありません|  ̄ロ ̄)ノ」
「( ̄0 ̄;)」
「まだ25分あるから大丈夫でしょう」
「…ハチ公に交番あるから聞きましょうか」
「そんなの遠回りになります|`Д´)ノ」
この道、50年の先生、ま、大丈夫だろう、と早足の先生について歩き、着いた先が…
シアターN渋谷」
「ここにあったんですよ、イメージフォーラム…(  ̄ロ ̄)」
モタモタしてる暇はない。次に着いたのは道玄坂…。ここも違った。
ヾ( ̄_ ̄ )/\( ̄ー ̄)/\(  ̄− ̄)ノ゛ドモモモ・・
どうやら、やっぱり、「宮益坂」だと判明した時には、上演時間の11時。
さて…。タクシー乗って遅れて行くか、夜の部に出直すか。いったん帰って、わざわざ出直すの…???
シ━━(^(^(^(^(^(^ω^;lll)━━ン
「でも、最初観なきゃ。最初が面白いんだから」
と先生に言われ…"(-""- )"
ちょうど夜の部なら監督・脚本家・キャメラマントークショーあるし…。やむを得まい。で、スタバでアイスコーヒー飲みながら、
「あなたが、ちゃんと調べて行かないからいけないんです(*`Д´)φ」
それはないやろ〜。
ま、終わり良ければすべて良し\(●⌒∇⌒●)/ニャリーン

二度目の「結び目」…。
今回、圧倒されたのは…俳優の凄さ。小沼監督が、「キャスティングに150%の満足度」と言ってるだけのことはある。
ヒロイン、絢子役の赤澤ムック。初回観た時にも凄いと思ったが、二度目には、もっと凄いと思う。
ファーストシーンの、何もしない、無言の顔つきから、ドラマを語っている。
何やら重いものを引きずってるのだ。不機嫌で面白くなくて、白けていて、外の世界と目線を合わせようともしない女。日常生活では表面だけ取り繕う「嘘つき女」の顔。
そして、相手役の啓介役の川本淳市。
眉間にシワ寄せてる、疲れた唐沢寿明みたい。罪を背負って「生まれて来てすみません」…みたいな。可愛い奥さんがいて、クリーニング屋でせっせと仕事しながら、常に重圧に押しつぶされそうなたたずまい。
そんな絢子と啓介が、女と男として向き合った瞬間――。それこそ「結び目」がほどかれるように、解き放される。重い鎧を瞬時に脱ぎ捨てたような顔になるのです。
見事としか言いようがありません。
監督が赤澤ムックと最初に会ったのはファミリーレストラン
先に着いていた彼女は、窓際で煙草をくゆらせていた。明るい光の中で紫煙に包まれた彼女を見て、
「絢子がそこにいる」
と感じ、その直感が確信に変わるのに時間はかからなかったそう。

本当に、どの出演者も良いのですが、この、赤澤ムックの演技には、ぶっ飛びました。
「黒色奇譚カナリア派」を主催し、脚本家・演出家・女優とマルチな才能を発揮し、カリスマ的人気を博するというのも頷けます。
この赤澤ムック、小沼監督の演出について、「駄目なものは駄目とはっきり言ってもらえる信頼関係を築けたと思います」――自ら演出もやる女優、10日間の撮影期間で信頼関係を築けたのは、互いの才能を認め合えたから。素敵です。また、他の共演者についても「お仕事として芝居をされるのではなく、役の内側に深く入り込んで役作りをする方々ばかりで…。随分、助けられました」

多くを語りたくないです。語りようもないので。二度目に観て、ますます好きになりました。もう、「惚れた」「骨抜き」にされました(/-\*)
興味をもたれた方は、どうぞ、イメージフォーラムへ…。
予告編―http://www.youtube.com/watch?v=my17QnrQTvc
"(*^^)/。・:*:・°★,。・:*:・°☆!"
昼間、「渋谷は坂が多い( ̄へ  ̄ 」と苦情を言われたピーター先生でしたが、帰り道には、「ありがとう」とお礼を言われました。
最近、試写会で観た東京島踊る大捜査線のひどさを聞かされながら、渋谷駅へと向かったのでした。

☆⌒(*^-°)v Thanks!!