女優は変態。

「なんでもやります、女優ですから」
このコメントに負けて、買っちゃいました。月曜発売の「週刊現代」!
この素晴らしいコメントの主は、

寺島しのぶ

2月28日ブログ、『魔物に取り憑かれる』でも触れましたが。やはり、寺島しのぶ。前々からあっぱれ!と思ってはいましたが、またまたやってくれました、言ってくれました!!週刊現代」の取材について、実に気持ちの良いコメントを連発してくれています。

――日本での取材はいつも『今回もいい脱ぎップりですね』ガックリきちゃいます。
――台本に『脱ぐ』とあれば女優は脱ぐんですよ。
――絶対にモザイクがかかるような映画には出たくない。それだったら、映さないか、すべてを映すかどっちかですよ。私、隠すということが絶対にイヤなんですよね。

ホント、潔(いさぎよ)いですね。
主演映画「キャタピラー」で第60回ベルリン国際映画祭 銀熊賞最優秀女優賞に輝き、これは、左幸子田中絹代に続き、日本の女優では35年ぶりの快挙。世界を認めさせたわけですね。つまり、その言動に世界が注目する、ってことです。守りに回って滅多な発言出来なくなる…と思ったら、爆弾発言のオンパレード…。で、

「何でもやります。女優ですから」なのです。

彼女が主演してきた映画は過激でリスキーな役のため、何人もの女優が断った作品が多い、とあります。確かに…。キャタピラー」に至っては、戦争で両腕両脚を失った帰還兵の妻を演じています。「ここまでは出来ない」…そんな限界はないのでしょうか。それについては、

――「ヴァイブレーター」という映画でマグカップにおしっこしているシーンはちょっと恥ずかしかったかな(笑)。

だそうな。
役者というのは、良くも悪くも大衆から役のイメージで見られることが多い。CM収入は大きいですから、役者にとって「イメージ」は大切。逆に言えば、イメージ優先で作品や「脱ぐ」「脱がない」を決めてしまう。

――裸にばかりスポットが当たる日本は世界からかなり遅れをとっているんじゃないか、って危機感を覚えてしまいます。

受賞した「キャタピラー」についても、ベルリンでは、「アーティスティックなフィルムである」「戦争をここまできちんと描いている日本映画はない」などと、論点は作品内容にあったのが、帰国して最初に問われたのが、

「また脱いでいるのですか?」

呆れるのを越えて切なかったそうです。

――脱ぐことに関してそれほど執着する日本人ってよっぽどヤラしいと思う。ヌーディストピーチに行ってもみんなスッポンポンなわけじゃないですか。普通に真っ裸でバレーボールやっていたりするわけでしょ(笑)

ま、この辺は土壌や文化の違いもあるでしょう。でも、確かに、有名女優が「脱いだ」「脱がない」は、作品の評価以上に日本では重要視される。無視されることはない。
3月2日、3日ブログ、『女が裸になるということ』で、私も女優が「脱ぐ」ということに触れました。私自身、女優が「脱ぐ」というのは大変なことだと思っていました。でも、このインタビューを読んで、

女優は「女」ではないんだな。

と思いました。女であってはいけない。女であっても女ではない。そんな小さな器で「女優」は語れないのだ、と。「女優」という生き物…。その点、しのぶ様は「月刊文芸春秋」にて、

――女優は変態。

とのたまわれています。もう、しのぶ節炸裂ですな。

――女優って、“変態”でなければできない仕事。人間性をすべて人前にさらす浅はかさがあって、同時に、そんな自分を見てもらいたいと感じるエゴイスト。

":*:°・☆ヾ(δ_δ。)了└|力""├♪"

父親は人間国宝、七代目・尾上菊五郎、母は女優、富司純子、弟は花形役者・尾上菊之助…。芸能界屈指の「華麗なる一族」のお嬢様の発言…。
いやぁ、過激です。歌舞伎の家では必要とされない「娘」に生まれた苦悩。有名女優を母にもったコンプレックス…。挫折…。想像を絶する負のエネルギーが彼女を女優にし、ここまで逞しく育てあげたのでしょう。コンプレックスやプレッシャーを見事に開花させた寺島しのぶ
――たとえ、50、60になってどんなにお腹が出ていようが、おっぱいが垂れていようがその役に裸のシーンが必要だと思ったら脱ぎます。

"+;・ο。.・;+:+.。ο・;+*:゜・☆ヾ

それにしても…旦那様は大変そう。並の男だったらもちませんよ。(大失恋も頷ける)
夫は5歳年上のフランス人、アートディレクターのローラン・グナシアさん。
キャタピラー」出演に際して、「そんな顔してる君を見たことがない。絶対にやった方がいいよ」と言ってくれたそうです。既に作品を3回観て、「超リスペクト(尊敬)だよ。しのぶのベストパフォーマンスだ」と絶賛したとか。
本当に、これからが…いえいえ、これからも楽しみな女優です。

最後に、好きな言葉は「自由」――。
「自由」って、「自分」がある「理由」なんですよね。
しのぶ様、どうぞ、これからも思い切り自由に羽ばたいてください!注目しています。
キャタピラーはこの夏、日本公開です。絶対、観なきゃ…。

♪♪♪ d(⌒O⌒)b♪♪♪サンキュ