復活祭

会場左手ドアが開く。雨よけのような布をかぶり、背をこごめた女が早足に通路を抜けて舞台に上がる。

瑛子さんだ…。

確かにそれは瑛子さんなのだが、私の知っている瑛子さんではない。私の知っている、下町のおっかさん風。豪快できっぷがよくて、育ち盛りの3児の母として毎日、運動会のような日々…。
そんな瑛子さんではない。
そこに居るのは、紛れもない

女優。
悪魔に魅入られ、魂を売り渡したようにしか見えない女優だった。

北千住 天空劇場 4月9日午後7時(入場無料)
作・演出・出演 麻生瑛子 一人芝居「マグダラのマリア


はい、今日のお題は「復活祭」。

昨日、酒の飲み過ぎで急性アルコール中毒から見事復活!奇跡の生還!!

アリガタビーム (( o|o) ピ〜》》》 (V)。。(V)フォッ

ではありません。
いけませんね、ついついいつものノリで…。せっかくイエス・キリストの復活をテーマにした崇高な舞台を観て、女優・麻生瑛子に感嘆したのですから。その上、「悪魔に魅入られ、魂を売り渡した」なんて書いたら…。
彼女は敬虔(けいけん)なクリスチャン。夫は牧師で毎日曜、自宅で礼拝と聖書の勉強(バイブルスタディ)を行っています。キリストの敵、悪魔と日夜闘っているのですから…。

はい、今日は少々、聖書のお勉強と参りましょう。
歌舞伎ネタにロマンポルノ解説、かと思うと阪神大震災、次にはキリスト…。

何とまあ、節操のないブログでしょう

と自分でも呆れますが、本人は超真面目に書いていますので、どうぞ、お付き合い下さいませ<(_ _*)>

マグダラのマリア」って、名前は聞いたことありますよね?簡単に言うと、エスによって七つの悪霊から救われ、磔(はりつけ)になったイエスを見守り、その埋葬を見届け、死の3日後の復活に立ち会った最初の人物であるようです。
マリアは元娼婦。物心ついた頃に両親はおらず、引き取られた鬼ババアに散々にこき使われ、11歳で娼婦として客を取らされます。26歳で(娼婦であることから)石打ちの刑で殺されそうなところをイエスに救われました。
舞台は、イエスとの出会いから、イエスが磔の刑に処せられ埋葬され、その復活をマリアが見届け…まで描かれます。

あるのは照明と音響だけ。

セットも何もない。舞台上に女優、麻生瑛子が居るだけ…

にも拘(かかわ)らず…

その、描かれる世界の豊かさ、鮮やかな彩(いろど)り…

圧倒されました。
何よりも、

そこに居るのは紛れもない。マグダラのマリア

指先、毛先…にまで血や神経が張り巡らされているような。
まるで、そこに居るのは女優、麻生瑛子ではなく、マグダラのマリアの生まれ変わり…。

芝居の臨場感に、会場の所々で洟(はな)をすする音が…。
でも、私の横では…
明らかな寝息…。

それは…

舞台に誘ったプロデューサー。

(:。)ミ―――‐…Ξ≡=o(´Д`●)⌒☆


そして、昨日、瑛子宅での礼拝に行って参りました。
はい、3月から毎週、日曜に通っています。ご近所なんですね。ずっと前から会えば挨拶する程度の関係だったのが、スーパーで会った時、思い切って声を掛けてみたのです。
「舞台をやってらっしゃるんですか?」

これが今年の2月。それからは本当に、トントン拍子に関係が進みました。不思議な縁です。(「縁」というのは仏教用語キリスト教では「神の導き」などと言うようです)
接近した動機は「舞台」だったんですが、初めて喫茶店でお会いした時、話題はほとんど「キリスト教」。別に勧誘されたわけではなくて、ずっと聖書は勉強したかったんですね。でも、クリスチャンの人と礼拝に行ってみても、関連本を読んでもチンプンカンプン…。きっかけさえあれば、すぐにでも知りたい世界でした。

ああ、大学の頃、もっと真面目に講義を聴いていればよかった…

何を隠そう、ミッション系の大学に通いながら、「キリスト教概論」の講義=「居眠り」でした。
テキストも開いた覚えがない。
テストとかどうしたんだろ。

今から思えば、講師は外国人牧師。そう言えば…「天使の自立」にも出てきましたね?基樹の母校の中・高校がミッション系で、2人が母校の教会で結婚式を挙げるにあたり、勉強会に出席した。校長、ラバディから聖書の教えを学ぶのです。

『天使の自立〜セレブ妻の冒険』(第22話「預言者ラバディ」)


教えの最終日。ラバディ校長が質問した。
「オ互イガ相手ノ両親ト喧嘩ニナリマシタ。貴方ハドウシマスカ?」
百合子は答えた。
「私は、主人の味方をします。そして親の怒りが冷めた頃、基樹君のことを認めてもらうよう説得します」
ラバディは深くうなずいた。基樹はと言えば
「両者の意見を聞き、どちらが悪いか判断します」
そのとたん、穏やかだったラバディの顔色が一変した。
「オーマイゴッド!((((;゜;Д;゜;))))カタカタカタカタカタカタカタカタカタ」
ラバディは激しく首をふった。ロザリオを握りしめ胸に十字を切る。
「基樹サン!ソレデハ貴方達、離婚シマスヨ!!」


このラバディの預言をペキンダックさんは結婚後、度々思い出すことになります。
あれれ…。
なんか「復活祭」の話が『天使の自立』になってきました。
瑛子さん、ごめんなさい。この流れ、止められないわ。
この日は、復活祭のお祝いもあり、瑛子さんから「マグダラ」公演(1998年から海外公演も含め、100回を越えます)にまつわるエピソードも色々聞いたのですが、またの機会に。

結婚前に「離婚」を預言されてしまった2人…。その帰り道、基樹は不服です。当然です。


「自分は結婚もしてないくせに、何がわかるんだ!」
「そうならないための心がけを教わったのよ〜^^;」
「実はさ、お前に言わなかったけどラバディってモーホーなんだぜ!」
「えっ!モーホーって何?」
「尻貸してんだよ。校内の宣教師に尻貸してんの。ホモだよ、ホモ!!(`ヘ´)」
「ガ━━ΣΣ(゜Д゜;)━━ン!!」
バージンロードの夢…。私は…モーホーの前で永遠の愛を誓うの〜?しかし…。ラバディの予言は的中することになる。             

皆さまに神の恵みを…

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