「女子学園 悪い遊び」(1)

1970年、ダイニチ映配。
桂先生が数あるDVDの中から「滅茶苦茶面白い」と太鼓判を押されたので、お借りしました。
「カルトムービー 本当に面白い日本映画1945→1980」にも紹介されています。

このタイトル、ちょっと怯(ひる)みました。
100%ポルノだと思っていたので、またもや、
思春期を迎える娘達の視線が…
(ちなみに、「徳川セックス禁止令」はブログ読んでおりました。コメントなしでした)
そしたら…
全然ポルノじゃなかった。
白薔薇女学園なる女子中学を舞台に、エッチな匂いはぷんぷんするものの、エロではないんですね。
夏純子主演、「女子学園シリーズ」第一弾です。
夏純子と言えば…。

大きな目が印象的でスレンダーなイメージ。
主演作品は何一つ覚えてないのに、強く印象に残っています。
そう言えば、見なくなった…。
と思ったら、1981年に結婚を機に引退されていました。
当年、32歳。
結婚相手は、神山純一。
作曲、編曲を手掛けて幅広く活躍されている方のようで、湯川令子が叔母だそうです。
現役で活躍しながら、結婚引退するのは、
女優の花道…
かどうかはわかりませんが、
カッコいい。
とは思います。

テレビで活躍していた南條玲子も、見事に結婚引退しましたね。
夏純子を調べてみたら、映画誌『近代映画』のプロフィールによると…
「小学校時代に書き始めた日記で文章を書くことに興味をおぼえ、中学校時代には詩や小説を書くようになり、そのうち小説の主人公にどうしてもなりたくて、それを実現するには女優しかないと映画界へとび込む」
だそうです。
若松孝二脚本・監督のピンク映画『犯された白衣』(1967)に本名(坂本道子)で初出演。
18歳ですね。いきなりピンク映画デビュー。

『犯された白衣』のストーリーは、
嵐の夜、看護婦たちは寮の外にいた少年を呼び寄せ、看護婦同士のレズプレイを見せようとする。最初は黙って見ていた少年だったが、突然激高し持っていた銃で看護婦を射殺した。少年は看護婦たちを次々に陵辱・惨殺していくのだった…。
この少年を演じたのが唐十郎若松孝二と言えば、「ピンク映画界の黒澤明と呼ばれていた人。
夏純子(坂本道子)は凌辱される看護師だったのでしょうか。
女優としてデビューするためなら仕方ない、と出演したのでしょうか?
どれだけ脱いだのかはわからないけれど、多岐川裕美が「聖獣学園」でデビューしたことを思い出します。
多岐川裕美、夏純子…どちらも、ただならぬ美貌だったのでしょう。
ポルノでデビューしたら、そこから抜け出せないように感じますが、2人とも、見事に脱却して、
ポルノ女優の匂いさえしない。
凄いと思います。
2人とも、ポルノどころか、お嬢様、高貴な感じさえ漂います。
ここは夏純子、引退せぬまま女優を続けていたら…と思わずにはいられません。
「女子学園 悪い遊び」映画ブログならぬ、予告編ということで…お許しを。