「がん」という冒険(63)

私が先月から受けている放射線治療であるが、耳ざわりのよいものではない。

道で会った近所の人に、

「どこ行くの?」

と聞かれ、

「ちょっと、放射線治療に」

などと答えれば、

「\(゜ロ\)ココハドコ? (/ロ゜)/アタシハダアレ?」

な反応が返ってきそうである。

それは、抗がん剤治療と似たようなもので、どちらも破壊力抜群の響きがある。

先週私は3週間ごとに受ける抗がん剤治療を午前に、(電車で移動)午後に放射線治療を受けたのだが、身体的には大したことでもないのに、精神的には「すごいことやってる」ような錯覚にとらわれ、やたらテンションが上がった。(「どんなもんや、まいったか!?」みたいな)

 

土日・祝日を除く毎日、放射線治療に通うようになった私だが、放射線治療について具体的なことは何も知らなかった。もらった紙に書かれてあった、

毎日少しずつ放射線を当てることによってがん細胞にダメージを与え、死滅させる。

ということだけである。

調べようとすればいくらでも調べられるし、調べようとも思った。しかしずるずると調べずにきた。ついに調べたのは、週に一度の医師の診察で、

「だるさや不調などはありませんか?」

「ありません」

「質問はありませんか?」

「ありません」

「……………………………………………………」

「……………………………………………………」

ものの1分ももたないのが、やたら恥ずかしかった。質問がないのは、

何も知らないから質問できない。

のだ。毎日、放射線を当てられることに何の自覚ももたずにされるままとは、恥ずかしい。そうして、ついに検索してみた。すると、

がん治療の柱である外科手術、化学療法(抗がん剤治療)、放射線治療のなかで、放射線治療は臓器の形態や機能を温存することができ、副作用も少ない。患者にとって身体の負担が少ない治療法である。

なるほど、確かにそうだ。副作用は医師から言われたのは皮膚炎(赤みやかゆみ)くらいのものだった。そして、

日本では原爆のマイナスイメージのため放射線治療の理解が遅れており、先進国のなかで最も放射線治療を受ける患者の割合が低い。

( ^^) _旦~~(^0_0^)(^^)/( ^)o(^ )( ^^) _旦~~(^0_0^)(^^)/( ^)o(^ )

なぁ~んだ。

である。

放射線治療に対する疑問や興味がなかったのではない。放射線の先入観や恐れから、私は調べることができなかった。

それは抗がん剤治療も同じである。私には毛髪が抜ける以外の副作用はなく、苦しむことは全くなかったにもかかわらず、怖くて調べられなかった。検索すればびっくり箱のように何が飛び出すかわからない。また情報には限りがないから、知らなくてもいい情報まで見てしまうこともある。平安でいられるのだから、余計なことはするまいとも思った。必要な情報なら医師から提供されるはずだ。

しかしながら、放射線治療抗がん剤治療も、一般的には恐れられている。祈り会の姉妹方には心配され気を遣われるし、はっきりモノをいう◎姉妹からは、

抗がん剤治療も放射線治療も平気だなんて、普通じゃないから。主に感謝しなさいよ」

と諭された。

もちろん、感謝している。

( ^)o(^ )(*^^)v( ^^) _旦~~(^0_0^( ^)o(^ )(*^^)v( ^^) _旦~~(^0_0^))