入試(7)

3月入試の◎大学合格発表は、くしくも祈り会の日だった。

13時の発表らしく、祈り会の真っ最中である。

家を出る前に、私はαに聞いた。

「(◎大学に)合格したい?」

「したい」

つまらない質問である。

「合格してたら電話して」

言い置いて、私は家を出た。

3月受験は募集定員の少なさなど、一般入試に比べて難関である。にもかかわらず、私には、「合格する」という嫌な予感があった。

前回ブログを更新後、

あなたの思いを主にゆだねよ、主に信頼せよ。

主が成し遂げてくださる。

主の前に静まり、耐え忍んで主を待て。

という聖書のみ言葉を食べ続けた。

私たちクリスチャンは、聖書のみ言葉を「読む」のではなく「食べる」という。

み言葉が心の栄養や活力となり、それまで思い悩んでいたことが吹き飛んで平安になるのである。それだけ、み言葉は真理であり力がある。

そうして私のたどり着いたのが、

「耐え忍んで主を待て」

つまり、合格していれば3月いっぱいまでに連絡のある「追加合格」の◇大学を、忍耐して待て、ということだった。

◎大学に合格したとしても、お金は一切、払わない。従って合格は無効になる。

ただし、お金を納めないで◎大学の合格が無効となり、◇大から正式合格がもらえず、「二浪になるのでは?」という不安(恐怖)からは守られている。滑り止め大学に入学金20万と授業料の50万を納入しているため、3月いっぱいまで「合格」が確保されているのである。それまでに滑り止め大学に「入学辞退届」を出せば、授業料の50万は返納される。

ということで、今日発表の◎大学に、25万の入学金、ましてや100万超えの学費を払うなど論外~というのが、(夫はいざ知らず)私の出した結論だった。

◎大学合格が無効となり、◇大学からも正式合格がもらえなければ、滑り止め大学に行けばいい。それなら、滑り止め大学が、主の御心にかなうαには最善の大学なのだ。

(◎大学に合格した場合)実際に行きたいのは追加合格の◇大学なのに、多額のお金で◎大の合格を確保するのはおかしい気がした。それこそ、

主を信頼していないことだと思った。

 

そうして祈り会…。

この日の祈り会は私を含めて6名。(背後にもたくさんの兄弟姉妹(主にある信者)がαの受験について祈ってくださっている)

今日が◎大の発表であり、合格していた場合、αからの電話があると話す。合格していた場合のお金の問題も打ち明ける。

「主がαにとって最善の学校を選んでくださる」

「◇大ではなく、◎大が主の御心の学校かもしれない」

「終わったこと、先のことを思っても仕方ない、と聖書に書いてある」

…確かにそうだ。

また、祈りの課題として、私たちはそれぞれの周囲の人たちのことも祈るのだが、それを聞きながら、私の今の問題など、贅沢な悩みであることも見せられた気がした。

例えば、

・親の介護のために職を辞した独身の姉妹、3月までに生活費がなくなる。再就職口を探したが、断られる。

・父子家庭で養護学校にいる中学3年生の少女。生活保護なので高校には進学できる?

・92歳の姉妹、ベッドから起き上がれないなど日常介護が必要な身となりながら、施設には入りたくない。

…コロナにウクライナ…、生活の危機、命の危機にさらされる人々…。

それを思えば、私の悩みなど、笑い事のようではないか???

 

そうして、祈りの課題が終わり、祈りが始まる。一人一人、順不動で祈るのである。

13時が迫る。そして…私の携帯が鳴った。

「合格したよ!」

とαの声。嫌な予感は的中した。それでも、

「おめでとう」

と言うしかない。すると、

「やったよ~(^^)/」

という声が返ってきて、「合格したけれど、お金は払わない」となれば、αに泣かれるだろうと思う。

 

祈り会の真っ最中に、◎大学の合格を聞く、というのは、まるでドラマのクライマックスシーンである。その後、姉妹方とのお交わりのなかで、癒しをもらう。

◇大の追加合格をもらいながら、◎大に多額のお金を払うことに躊躇しているが、それは「私の思い」であり、主の御心ではない。「御心(最善)の学校」は主だけがご存知である。主を信頼しておまかせするしかない。

この、祈り会の中で、◎大学の合格を知らされたこと、そのことが、主のご計画であり恵みだと受け取ることができた。

 

まずは、αから「◎大合格」を知らされているはずの夫の考えを聞こうと思う。帰宅するとαはいなかった。夫と外で会っているらしいから、入学金のことなど話し合っているのだと思った。夫の考えに逆らう気はなかった。夫の出した答えが楽しみでもあった。ところが…。

帰宅したαに聞くと、(夫は仕事場に帰る)

「(夫は)◎大の入学金の締め切りがいつか、調べておけ」

\(゜ロ\)ココハドコ? (/ロ゜)/アタシハダアレ?

「おめでとう」はいいが、肝心なことはそれで終わったらしい。

(入学金のことなど)何も自分で調べない(考えない)かね???

私が受験前からずっと悶々としてきた現実を言えば、夫は間違いなく下痢を起こすだろうと、私からは敢えて黙っていたのだった。

その上、

夫はウクライナの戦争で資産運用が大暴落したと言っていたが、それをαにも話し「ビンボーだ~」と頭抱えたらしい。唖然とするしかない。

ここで私が入学金云々を言い出せば、下痢どころでなくなりそうだ。くわばらくわばら。

大受験は夫とαで決めたことで、私は相談もされなかったのが逆によかった、と胸撫でおろす。

するとしばらくして、αの家庭教師だったN先生から電話がある。αからの◎大学合格の連絡を受けての電話である。そうして私は、今の悩みを相談した。

すると…、

・今日合格できた◎大はαに合っていると思う。

・「追加合格でも不合格はある」

・僕が親なら、(◇大の合格がもらえない場合)◎大にお金を出す。

と言われ、主の◎大への追い風を感じた。

ともかく、連戦連敗の屈辱を味わった受験だったが、最後の「合格」で有終の美を飾れたことは気持ちよく、主の祝福を感じた。

◎大の合格をもらい、入学金納入の期日まで6日ある。それまで、主の御心を祈り尋ねるのみだと思う。