「がん」という冒険(14)

祈り会に行く。

今日の祈り会は月に一度の祈り会で、今まで更新してきたのは週一の祈り会である。

そして、この月一祈り会には、私が「がん」であることを隠していない。

最初から打ち明けようとしたわけではない。

集まるメンバーはずっと5人で、その中の一人、★姉妹とは、私が「がん」の検査結果がわかる前からプライベートで約束していることがあり、「ちょっと気がかりな検査の結果が来週わかるので、それが出たら返事するね」とLineを交わしていたのである。

実を言えば、私はおそらく検査の結果は白(良性)だと思っていた。だから、祈り会の時に結果を知らせる、とLineしたのである。

ところが、検査結果は黒(悪性=がん)だった。動揺はなかったが、いつ、どのように★姉妹に話そうかと思っていたら、祈り会の集合場所に来た★姉妹が私を見るなり、

「検査結果どうだった?」

これは、主の導きだととっさに思う。私はすんなりと、

「がん、乳がんだった」

「…………………………………( ;∀;)…………………………………………………」

そこにはもう一人、姉妹がいた。彼女も絶句である。そうして、私が色々語り出した頃、もう一人の姉妹が来た。話さないわけにはいかない。そして、

「がんになりました」

「………………………………………………………………え?」

彼女はかつて看護師をしていた。続いてもう一人の姉妹が来て…

絶句の連鎖

もうこの時には、週一祈り会に出て、がんのことを隠した。隠せたし、隠してよかったと感じたので、月一祈り会には、ここ以外には「他言無用」をお願いした。

皆、口の固い人達で、心配しながら静かに祈ってくれている。月一というのもペースとしてはいいなと思う。「心配だから教えてよ」と念を押され、抗がん剤治療の結果などメールすることを約束した。

 

あれから3度目の祈り会。一昨日の抗がん剤治療の報告を簡単にした。週一祈り会の姉妹からは、イメチェンした髪を先週ほめられたのはいいが、

「カツラみたい」

と言われ、複雑だった。今日は、

「それ(カツラ)取ると髪ないの?」

と聞かれる。

「まだ少ぅしだけ残ってて、ドクターに見せたら、『残ってる方です』って。でも、そのうち抜けて、生えてこないから…」

一同、静まる。これはいかん、と思い、

「でも、そういう目で見ると、こういう髪の中高年男性多いよね?思わず親近感感じた。ああいう人達って、やっぱり覚悟をもって、ああいう髪型のままにしてるんだな、なんて…今まで考えたことのないことを考えると面白い」

ウソではない。自分のハゲ頭など想像もできなかったし、そうなった時の心情も見当つかなかったが、案外平気である。不思議なほど。

姉妹方は皆、「(主に)守られてる」という。

 

…とここまでは前説であり、本題はこれからなのである。実は翌日の15日、浪人生の双子の姉、αが共通テストを受ける。それを姉妹方と一緒に祈りたかった。

αが浪人するに至ったについては、去年のブログに更新した。大学には合格したのに、入学できなかった。不正をしたわけではない。入学金の締め切り日に入学金を収めなかったのである。正確にいえば、αが父親に再三いわれながら、「入学金手続き」など意識を素通りしていたらしい。とてつもなく「抜けてる」のである。

しかし、あれも、過ぎてしまえば主のご計画だったのだと感謝できた。あれほど勉強しなかったαが、発表の意の一番に「合格」を勝ち取り、同じ大学を受けたβは(模試でA判定もらいながら「追加合格=補欠」(発表は後日))であった。

長いことβ(地頭がいい)にコンプレックスをもっていたαが、この時、

「完全合格(^^)/(^^)/(^^)/」

と浮かれた姿は忘れられない。追加合格のβは「不完全合格」というわけである。(特に大学に行きたくもないαにとっては)大学に合格したことより、βに勝ったことが嬉しかったのだ。また、どこも受からずに浪人するより、合格して浪人するというのは、気分的に違うのではないか。少なくとも、自信のないαにとっては良かったと思う。主の憐れみを感じた。

浪人生活を通して、αは成長した。あのまま、大学に入学して大学生になっていたら…と思うと恐ろしい。

その成長のいきさつを姉妹方は皆、知っている。ともに祈り続け、この日も、熱い祈りを捧げていただいた。

感謝し、安堵できた。

主を信頼し、お任せすれば、主は最善を成してくださる。

 

αが大学に合格しながら入学できなかったいきさつについては、

2021・4・12「合格取り消し(1)」から5回にわたり更新。