入試(4)

5回目の抗がん剤治療。そして、「行きたい大学がない」娘αに「行きたい」という思いが起こされた◇大学の合格発表日だった。

◇大学は立地環境がよく、試験も結構できたとαは上機嫌で、私が一番合格を希望していた▼大学の不合格も吹き飛んで、合格できればいいな、と思ったわけである。

そんな◇大学の合格発表(だいたい昼頃)の時間帯、私は抗がん剤治療の点滴のはずで、とくに、今回の点滴から薬が変わり、点滴時間が長くなって弁当を用意するように言われていた。

何とも気が重い。

合格発表というものは、自分の高校、大学受験も含め、何度経験したか知れないが、何度経験しても嫌なものだと思う。(娘達は中学受験もした)

合格だろうと思っていても、100%の確証はない。不合格だろう、と思っていても数%の希望はある。その、合格と不合格の間をさ迷う居心地の悪さ、どうしようもなさ…。

拷問にも近い。(それを先週、3回続けて味わった)

◇大学の場合、αが「行きたい」ことと自信があったことで、余計に気が重かった。また、先週の合格発表で3連敗し、私はダメージを受けていた。

合格していたら合格したで、また「入学金」(締め切りまでに納めないと合格はなしになる→去年はこれで失敗した)のことで悩むことになるのだが。すでに滑り止め大学の入学金で大枚をはたいている。

 

そうして、5回目の抗がん剤治療だが、毎回行う血液検査の結果、

白血球の数値が低い(免疫力が低下)ため、今日の抗がん剤は来週に延期。

ということになった。免疫力低下は抗がん剤治療の副作用でもあり、よくあること。(それで高価な注射をしたこともある)免疫力低下のところへ抗がん剤治療で更に免疫力を低くすることは避ける、ということで、来週にもちこされた。

「心配することではありません」

とドクターから言われる。国民健康保険適用、1本32870円の注射は打たないですんだ。それから前回のMRIの検査結果は、胸のしこりは1cmほど小さくなっているらしい。

 

それで…帰宅してαの◇大学合格発表を待つことになる。

これで、◇大学が「不合格」だったら…。

\(゜ロ\)ココハドコ? (/ロ゜)/アタシハダアレ?

午前10時発表らしいのが、αの対応はいつものことながらとろく、待たされる。

あげく、

午前10時発表は去年だった。

\(゜ロ\)ココハドコ? (/ロ゜)/アタシハダアレ?

そうして、ようやくわかった結果は、

追加合格

つまり、補欠合格。合格者がすべて入学するわけではない。合格者が既定の入学者の数に満たない場合、成績順に繰り上げ合格にされる。

試験が出来たというのに、追加合格かよ。

とも一瞬思うが、

まずは、ほっ、とする。

しかし、

追加合格者の合格が決まった場合には、3月末までに電話連絡します。

らしい。

3月末まで1か月あまり…

\(゜ロ\)ココハドコ? (/ロ゜)/アタシハダアレ?

気が遠くなる。

一方、滑り止め大学に入学金は払っているといったが、実は、

入学金(200000円)+授業料(約500000円)

を請求され、入学しない場合には3月31日までに「入学辞退」の手続きをすれば、授業料は返納される。

滑り止め大学の「入学辞退」期限と、希望する◇大学の合格決定期限が同じ3月31日。

これは、偶然にしてはできすぎているのではないか?「入学金」だけの期限なら、1週間くらいなものだろう。(この入学金+授業料の締め切りは2月14日だった)

最終的に◇大学の合格が得られなかったとしても、滑り止め大学という安全ネットが用意されているというようなものである。

主のご計画を感じた。これがなければ、本当にひやひやものである。最初はこの、総額700000円の一括納入に面食らったが、(これで不機嫌になった夫の口から「ハゲババア」発言が出た)この安全ネットに感謝した。

◇大学の合格を、忍耐して待て。

ということかもしれないと受け取る。ひたすら祈って待とう、と思う。

αに「祈ろう」と言ったら、素直に応じた。そばにいた妹βも応じて、3人で祈った。