「がん」という冒険(9)
新年が明けてしまった。
昨年11月に乳がんがわかり、12月から抗がん剤治療が始まった。がんと付き合うようになって、まだ2か月しか経っていないのか、と思う。
夫や娘達、兄弟……への通告、玄米食に早寝早起き生活、ウィッグ(カツラ)購入、抗がん剤治療を受けながらの祈り会、そして、頻繁に更新するようになったこのブログ……。
なかなかに刺激的な毎日であった。
抗がん剤治療の副作用で毛髪は1か月で全部なくなる、と担当医から言われた。
ハゲになるスリルとサスペンスの中で年末を過ごし、新年になった今、
髪は20分の1くらいになったが、まだ残ってはいる。
誠に、かっぱさんと言おうか、キューピーさんと言おうか……"(-""-)"
そういう目で見ると、電車の中や飲食店で、
似たような髪の中高年男性は結構いる。
密かに親近感を覚えた。
さすがに女である私は、ウィッグ(カツラ)なしではもう外へは出られない。
家の中ではキャップをかぶっている。
このブログにがんのことを書き始めた時は、検査を終えて結果が出る前だった。
結果が白か黒か……?
黒だった場合、更新し続けることができるのか、自信はなかった。
「がん」について何も知らなかったし、恐れもあった。
ただ、祈って書くことにした。
自分についての記録として残しておこうと思った。
「がんになってよかった」というのは変だが、少なくともがんになったリスクは感じていない。そこには、がんの転移もなく、初期で命に別状はない、という前提があるのかもしれない。痛みや不調もなく、毛髪が抜ける以外の抗がん剤の副作用がないこともあるだろう。それでも、再発や転移、5年生存率…、先のことを思えば不安はキリがない。今もウィッグなしでは外へ出られなくなっている。
自分がハゲになるというのは想像つかなかったし、そういうことになって、どういう心情になるのかもわからなかった。祈り会に行けるのか?と思っていたが、ウィッグつけてしっかり行っている。
祈り会に、いつ行けなくなるかわからない、と思うと、行けることが感謝である。
信頼できる医師との出会いに感謝。
徒歩15分の立地に、治療・入院・手術…すべてを行える大病院のあることに感謝。
病院から帰宅して、待っている家族のいることに感謝。
ウィッグが似合う(らしい)ことに感謝。
毛髪が抜ける以外の(抗がん剤)副作用のないことに感謝。
美味しい食事に感謝。
よく眠れることに感謝。
自由に動けることに感謝。
満ち足りていることに感謝。
感謝と喜びが、日々、深まっている。