「令和」の「令子」

その日、例によってCarvesに行く。

Carvesには予約というものがない。

朝の10時から午後1時、午後3時から7時というタイムスケジュールなので、

私はだいたい午後に仕事を始めて、夕方、気分転換と買い物を兼ねて駅前のCarvesに行く。

Carvesに初めて行った時、「カラダ年齢」というものを測り、これが実年齢より「マイナス6歳」であったが、私は少々、不満であった。

そして先月、再び「カラダ年齢」を測れば、前回より「マイナス5歳」…ということで、実年齢より「マイナス11歳」ということで、これには満足できた。

で、今月…再度「カラダ年齢」を測ったら、前回と同じであった。

店のコーチは「維持できていますね」と言われたが…。

でもまぁ…よしとしよう。

で、Carvesのコーチ(=インストラクターは3人いる)は我々のことを名前で呼ぶ。

「ユミコさん」とか「ケイコさん」とか、「カオリさん」とか…。

覚えるのも大変だろうなぁ、と思う。

で、この3人のコーチのうち、最近、入られた方は少々年配で、アラフォーかと思う。

それまで、名前で呼ばれなかったのが、この日、

「チヅルさんですか?」

と言われた。

チズル…。

あまり名前を呼び間違えられたこともないのだが、この「チズル」というのは新鮮であった。

チズルか…悪くない。

と思う。

「そんな綺麗な名前ではないんですが」

と言いかけて、別段、「レイコ」がそれに劣る名前でもないと思う。

それで、

「レイコです」

と言う。

令和の令…です」

初めて言った。

それから…。

アラフォーのコーチは、間違えることなく私のことを、

「レイコさん」

と呼ぶ。