桂先生の誕生会(2)

映画監督の鈴木則文がクリスチャンであるかないか…2014年、監督の訃報欄に教会で葬儀をあげたとあって、それから私はずっと気になっていた。
桂先生にもお尋ねした。先生も、

「あんなとんでもない映画、撮っててねぇ」
この場合のとんでもない映画とは、「緋牡丹博徒」や「トラック野郎」「ドカベン」…ではなく、「恐怖女子高校 暴行リンチ教室」「女番長ゲリラ」「温泉みみず芸者」…を指すのだろうか?ちなみに、先生の言われる「とんでもない映画」とは、誉め言葉に近い。
で、監督がクリスチャンになったのは、「聖獣学園」(1974年)の前か後か?という質問に、掛札さんは明瞭に答えてくださった。

「後」
それならわかる。そして、
「クリスチャンになったのは、死ぬ2か月前」
「…………………………………」「奥さんが先にクリスチャンになって、それから」
「死ぬ2か月前ですか……」
なんと言おうか…
ずるい。
この世でやりたいことガンガンやって、「神なんか知らんよ」みたいな顔をして、死ぬ直前に入信だなんて…それはまるで、
重罪を犯し、イエスの隣で十字架に架かって死ぬ直前、イエスを信じて天国へ行けることになった犯罪人のようではないか!
…は言い過ぎにせよ、我々、クリスチャンは日常的に、試練を与えられ忍耐の生活を送っているのである。
多岐川裕美スカウトして、こんな映画撮るなんて…
「聖獣学園」予告→https://www.youtube.com/watch?v=NHDb7CeFr9o
そしてまた、私が大ファンになった「徳川セックス禁止令 色情大名」(1972年)に至っては、渡辺文雄に凶悪な転びバテレン、「生きたフランス人形」なるサンドラジュリアンをクリスチャンにして散々脱がせ、最後には逆さ十字架にしている。
エス様をバカにするにもほどがある、というものである。一方で、クリスチャンを自称しながら、やっぱりこの映画を「凄い」と評価してしまう私も、何なんだか…であるが。
この機に乗じて、掛札さんに「徳川セックス禁止令 色情大名」を褒めまくる。
「アイデアが泉のように沸いて来るんですか?」

と聞いたら、「そう、いくらでも出て来たね」
「面白くて仕方ない…?」
「そう」
鈴木則文監督との打ち合わせは、さぞやエキサイティングに盛り上がったことだろう。
才能と才能のぶつかり合い…羨ましい限りである。
で、ここは何処かというと、桂先生の89歳の誕生日を祝うワイン食堂なのである。
我々有志からのプレゼントは、京王デパートで買った高級ステッキ。
で、ハッピーバースデー〜♪をみんなで歌う。
来年の誕生日も此処でやりましょう〜と解散。
先生、毒舌は健在だしよく食べる、杖がなくても歩ける。
立派なものである。後はイエス様信じてくださるのを祈り続けるだけである。
「徳川セックス禁止令 色情大名」マイブログ→http://d.hatena.ne.jp/rennren/20141020