「がん」という冒険(24)

1日、3日と雨だが、2日は一日中晴れて、桜も美しかった。

雨だったら悲惨だったろう、と思う。

何が……?

2日は娘αの入学式だったのである。

大学の入学式…。

去年の双子の妹、βの入学式はライブ配信をβが自宅で見ていた(というより流していた→関心がない)。

αの入学した◎大学は、コロナ対策として式が学科によって午前と午後に分けられ、保護者の出席は2名まで。講堂で行われる入学式を別室のライブ配信で視聴するというもの。(約30分)

 

入学式に何を着るか?

当節の流行もあり、本人の希望もある。

自分で(何を着るか)決めなさい。

と言ったが、一向に、

何も調べない、何も考えない。

受験と同じである。

(-_-)/~~~ピシー!ピシー!(-_-)/~~~ピシー!ピシー!(-_-)/~~~ピシー!ピシー!

そういえば私の入学式の服も、両親と大阪に買いに行った。

ところが…である。

私のクローゼットに、私が大学時代に自分のお金で買った「HANAE MORI」の黒のジョーゼットのワンピースがあった。新宿ルミネで買ったのを覚えている。

×十年前の服だが、保存状態もよく、デザイン的にもエレガントである。それを試しにαに試着させたところ、

わりとイケてる。

お~と思う。本人的にも満更でないらしく、アクセサリーを合わせたりしていた。

それを押し付けたわけでもないのに、

入学式に着ていく。

と決めたらしい。自分の人生と娘の人生が擦り合わされる。

これを母親の喜びと言うのではないか?

感慨深いものがあった。

それに従い、靴や小物、化粧品なども買いそろえる。

 

入学式当日、参列すると思っていた夫は、

「αが『出てくれ~』と言うならともかく…」(誰が言うねん?)

αは何も言わないので、出ないことになった。

面倒くさい。

講堂の入学式を別室でライブ配信で視聴するというのは、誠に味気ないものではあったが、

αが無事に入学式を迎えられたことはめでたい。

◎大のキャンパスは桜並木にも囲まれ、それもよかった。

入学式を終えたαは、

みんなスーツで、ワンピースの子なんていなかった"(-""-)"

みんなと同じなんて、つまらないじゃない。

浮いてたよ。

目立ってよかったじゃない。

目立ちたくなんかないよ。

……そんな調子だったが、これも思い出である。

寒くも暑くもなく、心地よい日和のなか、αと手をつないで歩いた。

(最近、αと手をつなぐようになった)