小便組(1)

あれよあれよ…という間に月日は経ってしまい、すみません。
ネタ…。
カランコロン…と虚しい音が響いてきそうで。
困り果て。
今、落語読んだり、江戸時代のことを色々、調べているんですが、
そこからネタを頂戴しようと思います。
あまり聞かなくなりましたが、「妾」(めかけ)という語があります。
正妻ではない、「囲われてる」とか、「二号」とか、今では「愛人」と呼ばれるのかもしれません。
月々のお手当をもらって、代理妻みたいなことをするというのでしょうか。
それが、江戸時代には女性の職業として認められてたらしいんですね。
口入屋(くちいれや)という、武家や商家に奉公人を紹介する、今で言うならハローワークか派遣登録…みたいな感じでしょうか?
そこに「妾」の窓口もあったのですね。妾奉公なわけです。
旦那を紹介してくれるわけですね。
そして、この制度を悪用して一種の詐欺が流行したとのこと。
その名も、
小便組。
妾奉公を望む若い美貌の女が、大店(おおだな)の主人に気に入られ、高額の前金を出して契約を結びます。
別宅を借り受けて、いざ、床入り。ところが、女には思いがけない癖がありました。
毎晩、寝小便をするというのです。
女は泣きながら病気だと訴え、謝ります。
さすがの旦那も閉口、病気とあっては責めることも出来ず、結局、暇を出す。旦那側からの契約破棄だし、同情もあって前払い金を返せ、とは言いがたい。数年契約だったのが数日で終わってしまい、その金も戻りません。旦那としては大損です。
一方、女の方は…。
素知らぬ顔をして、別な奉公先を探す。そしてまた、寝小便…。
これが小便組と呼ばれて評判になり、真似する女が続出します。引っかかる男も後を絶たなかったとか。
ほんまかいな。確かに、
元手はかからない。
誰でも出来る。
労せずして大儲け。
うまい手を考えたと感心する一方で、
そもそも、「寝小便」の癖あったら、妾奉公なんかせえへんやろ。(出来んわな)
(妾やるくらいの)大の女が寝小便て…男は信じるわけ?
その上、「小便組」なんて評判立っても、男が引っかかるとは…。
でも、未だに「オレオレ詐欺」で、被害に遭う人大勢いるのですから、そういうものかもしれません。
とにかく、ネタには使えるな、と思っていたら、石ノ森章太郎が『さんだらぼっち』で「寝小便」を使っていました。
さてさて、栄華を極めたこの小便組も、きつ〜いお灸を据えられて終息します。
それは次回に…。