男女混合徒競走(2)

前回あらすじ
6月1日、三輪は娘達の小学校、春の運動会に行った。そして、三輪は驚く。個人競技短距離走で、子どもたちは男女別、身長順ではなく、男女混合で走っている。な、なんと、男子も女子も関係なく、タイム別、タイムの近い者同士で競争しているのだ。

ふっ、と思い出したのが、いつだったか聞いた、
みんなで手を繋いで一緒にゴールする。
というやつ。
幼稚園か小学校か…定かではないのですが、運動会の徒競走で、スタートからゴールまで競争するのでなく、一緒に走るというもの。
ちょっと調べてみたら、それは、SMAP「世界にひとつだけの花」がヒットした頃、優劣や格差を競うことに抵抗する精神から起こったようです。歌詞のなかに「NO.1にならなくていい〜」という節があります。
ほんまかいな。
聞いたことはあっても、具体的に見た人はあんまりいないようです。今でもあるのかどうか…。何にせよ、
アホらし。
としか言えません。
受験、就職、出世…
競争社会のなかで、どうやって生きて行くねん。
オリンピックはどうなんねん。
ちなみに、高校野球の開会式の入場行進曲で、この「世界にひとつだけの花」が選ばれたとか。「NO.1にならなくていい〜」が開会式で流れたんですね。ちょっと、笑えます。
で、この「手を繋いで走ろう」を見た人は私の周りにいなかったのですが、タイム別の「男女混合徒競走」はざらにいました。春の運動会同様、普通に行われてるようです。小学生だと、早い女の子と遅い男の子だと、女の子の方が断然、早いそうなんですね。確かに、男女混合で1位になる女子もいればビリになる男子もいました。
徒競走と言えば、運動会のメインイベント。早い子の親も遅い子の親も、手に汗握ります。それが…
娘達(双子)は5年生なので、発育のいい子は男子も女子も高校生(=おとな)くらいに見える。
それが一緒に走ってるのは…違和感。
4年生から保健の授業で性教育受けてるんですよね。(注)男子と女子の違いを具体的に学習するわけです。そういうことをしておきながら、
一緒に走らせるんですか???
女の子の背中を見て走る男の子の気持ちを想像してしまいました。
足の早い子、遅い子…それは能力ではあっても優劣ではない。勝って得意になればいいし、負けて悔しがるのもいい。そういう経験を通して自分を知り、社会を知っていく。競争意識って人間を育てますよね。
そもそも、
何のための徒競走なのか。
しなけりゃええやん。
煮え切らない…往生際悪いと思います。
(注)
テスト形式のプリントがあって、例えば「〜男子は体毛が( )なり、女子は胸が( )…。( )にあてはまる言葉を□内から選べ」というようなもの。あまりに露骨で目をそむけたくなりました。また、設問と( )に回答として書いた娘達の幼い字が何だか不釣り合いで痛々しく…(書かされてるみたいな)