「この子たちの夏」(1)

朗読劇「この子たちの夏」――タイトルだけは知ってる、という方、多いのではないでしょうか。
それもそのはず、この作品は1985年7月、高崎公演からスタートし、2007年までの23年間、地人会によって上演されてきました。
1985年の初演時は、ちょうど被爆40年にあたる年。
6人の女優が、被爆した親子の手記を読む――。
公演当初から反響を呼び、
自分たちの地域でも『この子たちの夏』を上演して欲しい――。
鑑賞団体や自治体などだけでなく、普通の生活をしている人達までが実行委員会を作り、上演に漕ぎ着けてきたそうです。
地人会解散の2007年まで、全国393市区町村で、767回というステージ数を数えました。
これが、夏限定。
のツアー上演というのですから驚きます。
6人の女優は、大森暁美・長内美耶子・高田敏・江川慶子・山口果林・山田昌。
戦争を経験している世代の方々ですね。
そして、4年ぶりに再開した「この子たちの夏」。
6人の女優は、
かとうかず子
島田歌穂
高橋礼恵
西山水木
根岸季衣
原日出子
と、戦争体験のない女優陣に様変わりしました。
地人会代表で演出家の木村光一氏は、今回の舞台でも「構成・演出」を手がけています。
そもそも、木村氏は「この子たちの夏」をつくるにあたり、出版・刊行された書籍だけでなく、ザラ紙で作られた自費出版の冊子、被曝直後に出された古い資料など書店にないものまで探して、3000人を越える人々の遺稿や手記、詩歌を読んだそうです。
「長いこと語らなかったあの子たち、あの母親たちの悲しみの心をその人々の言葉そのままで甦らせたかった」
こうして朗読劇「この子たちの夏」は生まれました。
世田谷パブリックシアターにて、8月6日、7日、8日、9日
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2011/08/_1945.html