「がん」という冒険(98)

 37日である。

私にとっては記念碑的な日といえるのだが、いつも忘れている。

今日は覚えていたので、「37日」について書きたい。

 

ちょうど12年前の今日、私は駅前の喫茶店(当時はカフェとは呼ばなかった)で娘達の幼稚園のママ友達◆と会っていた。といっても、それほど親しい相手ではない。娘達とは関係ない、どちらかといえば仕事関係の話で会っていた。

というのは、数日前、私はスーパーの食料品売り場でその◆と偶然、会った。ママ友とは書いたが、友達ではない。ただ子ども同士が同じ幼稚園に通っていて、顔と名前だけを知っていた。当時、私は舞台公演に向けて台本を書いていたのだが、幼稚園ママの噂で◆が舞台女優だったというのを聞き、スーパーで会った際に、そのことを聞いてみたのである。どのようなことを言ったのかは覚えていないが、今は時間がないので日を改めて会おうということになり、37日に待ち合わせたのである。

舞台の話で会ったはずが、彼女は舞台女優だった時にイエス・キリストを知り、やがて教会で紹介された牧師と結婚する。相手は牧師の資格をもちながら民間で働き、今は毎週、自宅で礼拝を行っていると聞かされた。◆には3人の子どもがあり、末の男の子が幼稚園に通っていた。

上の二人、長男と長女は中学生と小学生だが学校へは通わずに自宅でホームスクールを開いて◆自身が指導していると聞いて驚く。日本の学校教育とイエス・キリストを信じる信仰とは嚙み合わないところが多く、(例えば、給食前にお祈りするのを変な目で見られる)子ども自身がホームスクールを望んだらしい。

そうして、私はそのまま◆の家に誘われるままついて行ったのである。当時の私はイエス・キリストを知らない。ミッション系の大学を出たけれど神には出会わず、ずっと何かにすがりつきたくてクリスチャンの知り合いと2度、教会の礼拝に出たこともあるけれど、何も感じなかった。何も変わらなかった。私はずっと乾いていたし、うめいていた。

そうして、その日、私は◆の家で一家と夕食をともにした。この時のことを後に◆は

「イエスは、ガリラヤ湖のほとりを歩いておられたとき、シモンとシモンの兄弟アンデレが湖で網を打っているのを御覧になった。彼らは漁師だった。イエスは、『わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしてあげよう』と言われた。二人はすぐに網を捨てて従った。(マルコ1:1620

「人間をとる漁師にしてあげよう」というイエスの言葉に、すぐさま網を捨てて従った漁師のシモンとアンデレに私は例えられた。

そうして次の週の日曜、私は自転車で◆宅を訪れ日曜礼拝に参加している。そこには、◆と夫、子ども3人と子ども達の友達とその親数人、近所の人…がいた。午前中から始まる礼拝は、午前中は「子ども礼拝」で◆がメッセージ(説教)をした。◆が作る昼食を皆で食べ、午後は大人の礼拝が行われて◆の夫がメッセージをした。◆のメッセージはとても面白く、夢中で聞いた。

私のクリスチャンライフが始まったのである。

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  つづく