明け渡す(2)

さて、大学1年生になった娘βの夏休みである。

大学が始まり、毎日(たまに遅刻はしても休まず)大学に通い、連日のように出される課題も提出したようで、無事に前期を終えたのである。

私は何もしなかった。

嘘のようである。

βが晴れて迎えた夏休み、

口うるさいことは言うまい。

と決めた。

大学生のβが、どのように夏休みを過ごすのか見当もつかなかった。

そうして、夏休み初日から、

βは寝ている。

双子の娘2人の部屋である子ども部屋は、いつしか姉娘α(浪人)の占有となり、βはリビングのテーブルで課題をこなし、リビングで寝るようになった。

午前中は無論、午後も夕方もβは寝ている。

日当たりのよい南側で、日光を浴びながら、みじろぎもせずに寝ているのである。

それが眠っているのか、横になってスマホを操作しているのかは定かではない。

要するに、眠っているかいないかはいざ知らず、

丸太のように転がっているのである。

(-_-)/~~~ピシー!ピシー!

それは、大学入学前のβであったし、今までも学校が休みになれば、こんなふうだったような気がする。

いや、高校生活のなかでも、(部活もしていないのに)

帰宅してから、着替えもせずに転がって、夕食もとらず風呂にも入らず、

朝を迎える。

ということが珍しいことではなかった。

その上、

遅刻する、という離れ業(はなれわざ)を見せたβであった。

\(゜ロ\)ココハドコ? (/ロ゜)/アタシハダアレ?

朝も昼も夕方も丸太のように転がっているβ、それが日常化する。

掃除機をかけていて(邪魔になるのに)どけようともしないのは、さすがに腹が立ち、

蹴った。

これはどうしたものか……?

高校を卒業して、18歳。もはや子どもではない。

何も言いたくはないが、言わないでいいのか???

βの夕食を作ることさえ悩んだ。(転がっているだけなので腹もすかないらしい)