卒業式(2)

さて、次は双子の妹、βの卒業式である。

このβであるが、無事に高校を卒業できたものの、遅刻がひどかった。

学年トップなどという甘いものではない。

確か、高校3年の前期(前期・後期の二期生)だけで77回の遅刻があったのを記憶している。

高校生活をトータルすれば通算何回の遅刻になるのか、恐ろしくて考えない。

開校以来の歴代1位……それも、ダントツ!!!

\(゜ロ\)ココハドコ? (/ロ゜)/アタシハダアレ?

幸なことは、欠席はほとんどなく、遅刻といってもHRに遅れる程度で、授業に食い込むことはほぼなかった。(朝、起きないのだ)

高校によっては、遅刻3回を欠席1回に換算するところもあるらしい。

そういう意味では、とても懐(ふところ)の深い高校であった。

で、卒業式、当日。

「起こさないからね。自分で起きなさいよ( `ー´)ノ」

と前夜、言って、βは「はーい( ^)o(^ )」と答えたものの、

目覚ましも鳴らない。(セットしてない?)

卒業式に遅刻はありえない。

けれど、

こいつは(卒業式に遅刻するという)痛い目に遭わないと、

懲りない。

のではないか、と思う。卒業式前の「登校日」も、起きなかった。

これは、βが懲りるかもしれないという、一つのチャンスではあった。

ただ、βが卒業式に遅刻して大恥かくというのは、

私も大恥をかく。

ということで、これは、

賭け。

のようなものだった。

8時にここを出なければ間に合わない。(本人は昨夜、「6時半に起きる」と言った)

迷った挙句、7時20分にβに声をかけ、テレビのボリュームを上げた。が、

起きない。

起こすか起こさないか……究極の選択。

祈る。

主が起こしてください、と祈る。両目つぶって、おまかせするのだ。

私は私で卒業式の支度をしつつ……祈る。私は(卒業式の前に)PTAの「感謝状」をいただくため、そろそろ出なくてはならない。

βの卒業式も、参列者は1名で夫ではなく私が出ることになっていたので、仕事先の夫に℡して、事情を話した。(「起こさないで出ることにした」)夫も反対しなかった。

卒業式に遅刻……。

どれくらい遅刻???

すると……

7時40分、どういうわけか、むずむずと…βが起き出した。

8時にここを出なければ間に合わない。