神の仕事(2)

私が娘達を出産した頃なので、もう18年前になる。

一卵性の双子である。

双子には一卵性と二卵性があり、一卵性とは1個の受精卵が2個に分裂したもの。

つまり、クローンであり、性別はもちろん、姿かたち、血液型なども同じである。

二卵性とは、(普通は1個の受精卵だが)2個の受精卵が着床して出産に至ったもの。

つまりは、同じ年の兄弟、あるいは姉妹、兄妹、姉弟の場合もある。

そんなわけで、妊娠したのが一卵性の双子と判明した際、医師から言われたことは、

「二卵性よりもリスクが高い。1人ダメな場合も2人ダメな場合もある」

ダメとは、体内で死亡することである。

そんなわけで、妊婦の私は、

「いなくならないでね、いなくならないでね」

と腹に手を当てながら祈り続けていた。

……今から思えば、健気である。

「1人ダメな場合も2人ダメな場合もある」

2人とも無事に生まれてくれ、元気に成長していることへの感謝を忘れてはならないと改めて思う。

余談になった。

そうして、無事に生まれた2人の女児。

眺めながら、私は感嘆したのである。

私の体内からこの世に生まれ出た二つの生命は、

目、鼻、口、耳…はむろん、5本の指からまつ毛まで綺麗にそろっていた。

こんなものが、私の中で、つくられていたの???

それも二つ……!!!

よほどの名工であっても、これほど見事につくり上げるのは至難の業ではないか???

それを、私の体内で自然に……?

(妊娠期間は)十月十日という。

その期間の中で、このように精巧につくられたものが、この世に輩出する。

それはもう……神の仕事としか思えなかった。

この頃、私は聖書を読んだこともなかったし、信仰など全くなかった。

それから、私の何が変わった…わけでもないが、

神の仕事

というものを、明確に意識させられた。