神の仕事(1)
このところ、部屋に花を飾っている。
固いユリの蕾(つぼみ)が、徐々に開くのを見ながら、
この蕾を開かせる力は何だろう、と思うようになった。
もちろん、ユリだけではない。
花は大抵、蕾が開く。
花の蕾が開くところをなまで見たことはないのだが、
人間が開かせようとして開くものではない。
花に意志があるはずもなく、
それはもう、「自然の力」としかいえない。
詩画作家の星野富弘さんが、こんなことを書かれていた。
チューリップの花を見ながら、ある日、星野さんは思った。
このカップのようなチューリップの花に雨が降った場合、
花はどうなるのか? カップのように水がたまるのだろうか?
気になりだすともう、気になって気になって仕方がない。
そして、予期もせず、その答えを見ることができた。
仕事で長崎、ハウステンポスを訪れた際に、無数のチューリップが咲き誇るチューリップ園を前に、急にどしゃぶりの雨が降り出したのである。
それはまるで、キリスト者である星野さんの祈りに主が応えてくださったようだった。
どしゃぶりの雨の中、咲き誇るチューリップはどうなったか???
開いていたチューリップはいっせいに花びらを閉ざしたのである。