「ゴミをゴミ箱に捨てる」ということ(2)

私も、決して几帳面ではない。

几帳面どころか、極めて横着でだらしがない。

しかし、

ゴミはゴミ箱に捨てた。

帰宅すれば制服はハンガーに掛けてタンスにしまった。

散らかっているといっても、床が見えなくなるほどではなかった。

 

娘達が小学生の頃、「徹子の部屋」に元バレリーナ、今は女優の草刈民代が出ていた。

そこで、彼女は驚くべきことを口にした。

小学3年生くらいから、母親に「~ぱなし」ばかり言われるようになった、と…。

それはすなわち、

脱ぎっぱなし、食べっぱなし、出しっぱなし、使いっぱなし、遊びっぱなし…

母親の苦労もむなしく、彼女の「~ぱなし」は改まることなく、

そのまま、結婚した。

夫の周防(すおう)さんが、彼女が締めないままの歯磨きのキャップを、毎日、締めていると語った。そして、周防氏が彼女につけた愛称が、

「パナシちゃん」

\(゜ロ\)ココハドコ? (/ロ゜)/アタシハダアレ?

無論、草刈さんが「~ぱなし」なのは、歯磨きのキャップだけではなかろう。

ともに生活してみて、周防さんは愕然としたのではなかろうか???

脱ぎっぱなし、食べっぱなし、出しっぱなし、使いっぱなし、遊びっぱなし…

それは、私の娘達……18歳を迎えても、全く改善されない。

母親の私はため息つきながら、前途を悲観するしかない。

それを、周防さんは「パナシちゃん」……とは。

そこには、あきらめを越えた「達観」の境地がほの見える。

草刈さんが開けっぱなしにした歯磨きのキャップ……

周防さんは、そのまま開けっぱなしにすることも、

別の歯磨きを使うことだってできる。

それを毎日、歯磨きのキャップを締めながら、

「パナシちゃん」

とは……。

周防さんに信仰があるかどうかはわからないけれど、

主にある自分が、このようなことではダメだ……

と思いながら…

現在に至る、