高級クラブのような…
ドアを開けて中に入ると、店員から壁の説明書「ご入店にあたって」を読むように言われる。
よく読んで、ルールを守る気のない人や守れない人は、入店を断ると、なんだか客に対して偉そうである。
それが第一関門、第二関門は「入店のご準備」、これには入店できない服装や店内でのケガや服や持ち物の汚れなどには、店は責任をもたない……など。
この服装チェックがやけに厳しく、アクセサリーや腕時計、スカーフ、もふもふした素材やレース使いもNG…。ベルトやズボンのほつれ…もダメ。
イヤリングや腕時計、ベルト…はずしながら、ほとほと嫌になる。私はレース使いのシャツを着ていたので、店で服を借りることになる。
ここは何処かといえば、横浜にある猫カフェ。
付き合いで来ることになった。他に、
「猫と目を合わせないでください」
というのがあって、猫と直接ふれ合うまでは、猫が(可愛がってもらえると)期待するので、目を合わせないでほしいというものだった。
なんでも、この店では、猫にストレスを与えないための配慮が色々講じられてあり、さして猫好きでもない私は、
もう、ええよ。
と帰りたいところだった。連れの猫好き2人のために忍耐する。これで10分ごとに300円とられるらしい。(ドリンク別)
第3関門は、ようやく猫のいる室内に入る。床に座ると、さっそく猫が膝にのってくる。(人馴れしている)が、説明を聞き終わるまで、目を合わせてはいけない。
そうして、店員から、猫様(とも言いたくなる)の扱い方の講義を受ける。
どこを撫でればいいか、とか、おもちゃでの遊び方…とか。それはひとりひとり(一匹一匹)違うので、また、同じ猫でもその時の気分があるので、店員に聞いてほしいと…。
そうして、ようよう、猫とのふれ合いタイムが始まった。普通の猫カフェと違うところは、
カフェ(喫茶)のメニューで儲けない。
カフェのメニューはドリンクのみ。
猫様との「ふれ合い」タイムで儲けるのである。
店の稼ぎは猫様にかかっている。
そうして、この店の猫様、客に媚びるのではなく、客の要求に応じて客を満足させる。
カフェのメニューで稼ぐ店の猫は、客に無関心なのに対して、この店の猫様は、
プロフェッショナル
高級クラブのホステスを思わせる。
店を出る時には、姫という名の猫様が、
お見送り
をしてくれた。私以外の猫好き2人は、
天国だった。
そうな……。