エステに行く(2)
そして、エステである。
考え出すとキリがない。
コロナ禍のなかでのエステ…。
一か八か……というほどのこともなかろう、と思うようにする。
私の場合、相手は施術してもらうエステシャン一人だが、エステシャンの方はそうはいかない。何人もの客が相手だ。店の方は私以上に感染を恐れていることだろう。
店を閉じても地獄、開いても地獄……と嘆く飲食店と似たようなものか?
日に感染者が〇〇人超え~といったところで、全体からすれば1%にも満たない。
考えない。
ことにする。(イエス様におまかせ)
そして、エステ到着。
この日、店長は夏休みを取っていて、中年エステシャンひとり。
実は6月の時にも、この人にやってもらったのである。
それまで長く店長の片腕のように働いていた30代エステシャンは結婚退職したという。
…ほんまかなぁ…?(~_~;)
と思いながら、中年エステシャンの腕は確かなようでおまかせした。
で、ひと月半ぶりのこの日…
施術してもらいながら、
「あらぁ~エステに来られてないのに、お肌が別人みたい」
「…?…」
「こういう仕事してるとねぇ、嘘のようですけどエステした人の顔は覚えていなくても肌は覚えてるんですよ」
「…指が覚えてる?」
いつだったか店長もそんなことを言っていた。
「そうです、そうです」
プロフェッショナルとはそういうものかと思う。
指先がセンサー化しているのだろう。
「それで、ひと月半前と比べると、生まれ変わったみたいによくなってるんですよ。どうしてですか?何か特別なことされました?」
顔のマッサージしてもらいながら聞かれる。
はて、エステを休んでいて肌の状態がよくなっているとは、エステシャンとしては口にするのはタブーなのでは…?と思いながら、本当に不思議だから質問されているのだろうな、とも思う。
ここで念のために言わせていただくが、私は別段、肌の状態がひどかったわけではない。紫外線対策は無論、美肌には気を使い、毎日のようにパックしている。
それにしても…いくら指先がセンサー化しているといっても、ひと月半前の肌の状態を指先が覚えているとは…?
人の顔だったら…(私だったら覚えていないが)覚えているかもしれない。
この色んな意味でプロフェショナルな質問に私は誠意をもって答えたいと思った。
ひと月半前……6月の終わり……
あった~!(@^^)/~~~
「テレビ通販でステーキ肉を簡単に美味しそうに焼けるフライパンを買って、それが7月に届いて…肉食になったんです」
「あら~!!!」
誠にそれは、画期的ともいえた。手頃なアメリカンビーフをミディアムレアに焼き、レモン醤油やにんにく醤油…などでいただく…。
はまった。
そうなると、身体が肉を求める。
私は元々、食が細く、肉よりも魚、和食のさっぱり系が好みであった。
「食べたい」というより「食べなければ」という義務感が強かった。
食べるのは面倒くさい…とまで思っていたのである。
子どものために料理した。
それが…
身体が肉を求める。