健康診断(1)

7月のブログ、「心の準備」(1)(2)で健康診断、及び、ガン検診を受ける覚悟を書いた。知り合いが自覚症状なく受けたガン検診でひっかかり、この秋、手術を受ける。幸い初期で、このことを通して生活が改善されたり、色々な恵みがあったと、その前向きな姿勢には感心させられた。「三輪さんも、是非、受けてください」
この声を無視するわけにもいかず、イエス様の導きだと解釈して、「健診」及び「検診」を受けることにしたのだったが…。その決意を礼拝に通う、親しい姉妹(=女性信者)に話したら、
「やめな〜!」
と目の色変えて反対される。「文藝春秋」8月号に、市川海老蔵が妻、小林麻央の乳ガン公表したのを受け、近藤誠が、
乳ガン検診は必要なし
という対談を発表していると言う。翌週には「文藝春秋」8月号を持って来てくれたので、記事をコピーする。
記事内容の真偽を判断する能力は私にはない。ただ、年々、乳ガンの発見数が右肩上がりで増え続けているのに、乳ガンによる死亡は緩やかな右肩上がりにとどまっている。
とあるのは…確かに、これだけ「早期発見、早期治療」が謳われて、「ガン」に対して敏感になりながら、「ガン=死」の概念は一向に弱まらない。
「死亡数の増加は治療死によるものと考えざるを得ない」また、乳ガン検診で推奨されるマンモグラフィー検診は、
放射線被ばくによる発ガンのリスク」を挙げている。「何枚もの画像を撮られるので、一回の検診で少なくとも12ミリグレイくらいは被ばくしていると考えるべき」とある。
「乳腺は肺、胃、大腸、骨髄と並ぶ、放射線被ばくで発ガンしやすい五臓器の一つ」
などと書かれると、恐ろしくて受けられたものではない。
と書きながら、実は過去に、受けたことがあるのである。
親友が乳ガンで片方の乳房を切除した。で…乳ガン検診、マンモグラフィーも受けた。
何かでひっかかり、別の大きな病院で検査することになった。
予約して、予約しながら検査当日は大いに待たされ、検査して結果聞くのにまた予約…結局、「異常なし」だったが、(ひっかかる要因があり)「今度検査しても、また(異常なしでも)ひっかかるでしょう」などと言われ、
こんなアホなことしてられるかいな。と思ったものである。「文藝春秋」8月号の記事を読んで覚悟が揺らいだわけではない。
これがイエス様の導きなのですか…?
という気持ちである。
「健診」と「検診」は別で受けられるそうなので、取り敢えず近所の病院で「健診」を受けることにした。「検診」は保留。
当日、朝食抜きで来院。検尿、血液検査、身長・体重、胴回り(メタボ検診)を測定される。
最後に医師の診察。この医師は、喘息(結婚後になった)や不眠などで、何度かお世話になった。
気取らない「町のお医者さん」的な安心感と誠意を感じさせてくれる医師だった。「○○さん、どうした〜?」
と客(患者)を迎える。私の場合、
「健康診断ね」
とデータを確認し、尿検査の結果は出たようで、
異常なし。身長・体重・胴回り…も異常なし。(メタボでない)ここで、私は聞いてみた。「先生、ガン検診をどうしようか迷っているんですが、近藤誠はどう思われますか?」
肯定はしないものの、否定はしないだろう(礼拝に来る医師の間でも、近藤誠論を『否定出来る人はいない』という話であった)と思っていたら、「あれは思い込み強すぎるね」「俺達(医師仲間)集まったら、いつも悪口言ってるよ」
などと完全否定。危うく、椅子からずり落ちそうになる。エス様、これ、何ですか?
カルテ見ながら、
「まだ後、何十年も生きるんだから、やることやっといた方がいいよ」
などと言われる。
「長生きしたくありません」と言えば、
「え、美人薄明?」
そういうこと言いそうもない医師なので、お世辞だとわかっていても嬉しい。
「私はクリスチャンなので死ねば天国ですから、この世に未練ないんです」すると、
「俺の奥さんもクリスチャン、プロテスタントだけど、ずっとクリスマスになると礼拝行こう、ってうるさかったのが、やっと言わなくなったよ」
れれ…妙な話の展開になる。
日本のクリスチャン人口は100人に1人とか言われるから、これもイエス様のご計画なのかと一瞬、喜ぶ。「先生には、クリスチャンドクターになってほしい」
と言ったら、
「バカな。俺は神道だよ」
混んでいながら、こんな話が出来るのも不思議だと思い、これから、この医師の導きを祈ろうと思う。そして、「レントゲン」と「心電図」の検査について、放射線の不安を言うと、「レントゲンは、そこから色んなことがわかるから、撮っておいた方がいいよ。放射線も大したことないし。心電図は何かあった時でいい」で、レントゲンを撮る。レントゲンの結果もすぐにわかるらしく、待つ。待つ間、ガン検診のことで、もうちょっと医師に聞いてみようと思う。
レントゲン…異常なし。
先ほど測った血圧が高かったのは外部条件によるもので、自宅安静状態で測れば正常だろう。
レントゲンを見れば「高血圧」でないことがわかる、と言われる。
そして、意を決してお尋ねした。「先生はガン検診はどうされているんですか?」プライベートな質問だったが、さらりと答えてくだすった。「うん、毎年決めて受けてるよ。どうして毎年かって言うと、毎年受けてれば、見つかっても初期だから」
と、いたくまともである。
開業医の院長として、きちんと管理されているのに感心する。…と同時に、またもやわからなくなる。
ガン検診…。