ディスレクシア(2)

「障害は個性」と言われるような時代になったけれど、現実はそれほど簡単ではない。
と南雲さんは言われました。
南雲さんも触れられていましたが、
障害者だから「可哀想」「気の毒」「不幸」…という固定観念を持つのでなく、色んな能力があり可能性がある。
このような時代の背景には、
「障害は不便だけど不幸ではない」
著書「五体不満足」でおなじみの乙武洋匡ひろただ)さんの登場が大きく影響しているのでしょう。
乙武さん、37歳。「五体不満足」からスポーツライターとか車の免許取得、結婚…。小学校の先生、二児の父。
いやはや…と思っていたら、ロックバンドのボーカルになってたり、今年は著作『だいじょうぶ三組』の映画化に俳優として出演!
これで「不幸だ」なんて言われたら、反感買いそうです。
すみません、横道に反れました。
「障害は不便だけど不幸ではない」
「障害」という暗い、重い、ネガティブ…なマイナスイメージを、あの爽やかな「乙武スマイル」とともに吹き飛ばしてくれた感がありました。
障害があっても、色んな可能性のあることを、人間の可能性というものを、今も体現してくれています。
その功績は計り知れないと思います。
一方で、
講演も聴きましたが、非の打ちどころのない好青年で、
この人、人間やない。
と思いました。
実は宇宙人。
だとしても納得します。
詳しくは、2011・12・9「乙武君の講演」
http://d.hatena.ne.jp/rennren/20111209#1323439930
本題に戻りますと、ディスレクシア(読み書き困難)の南雲明彦さん、「五体不満足」が話題を呼んだのが15年前ですから、南雲さんは14歳。
思春期だし、物凄く苦しかったと思います。
そこへ、あんな五体不満足」のスーパーマンが現れて、
「不幸ではない」
乙武スマイル浮かべられたら…。
どうせ、俺なんか…
ますます凹むのではないでしょうか…。
というようなことを思いました。南雲さんは、
「二次障害が怖い」
と言われました。
生来の障害(一次障害)の影響でつらい目に遭い、心を病んだり自殺行為に及んだり…ということですね。
逆を言えば、障害が自然に受け入れられれば、それこそ、「障害は個性」となるのでしょう。
南雲さんは高校を4校目で卒業されたそうです。
高校を3度も転校…。
「読み書き」困難で、授業中、どうしていたのか…。
卒業したからトンネルを抜けられるわけでもなく、よくぞ、耐え抜いた、と思います。
「(社会は)読み書き出来るのは前提」
なことにも苦しんだそうです。
目が見える、耳が聞こえる、歩ける…も前提だけど、
点字、白い杖、補聴器、車椅子…あります。
でも、「読み書き」困難なのは見た目にはわからないし、説明しようもない。(わかってもらえない)
21歳でディスレクシアとわかるまで、出口の見えないトンネルだったのではないでしょうか。
「他人はインスタントの言葉」
と言われたのも印象に残りました。
「十代の3年くらい大したことない」
相手は励ます意味で言ったのでしょうが、言われた十代にすれば…。
十代の3年て…(見た目も含め)まるで別人になっていたりします。
読み書き困難でも、知的には問題ないわけですから、色々考えるし、わかるわけです。
19歳の時、カウンセラーに言われた
「出来ることやるよ」
という言葉に、救いを感じたそうです。