永井豪によるダンテ「神曲」(7)

ここで残念なお話です。
皆さま、キリスト教カトリック」と「プロテスタントがあるのはご存知ですか?大雑把に言えば、16世紀の宗教革命でカトリック(旧教)から分離したのがプロテスタント(新教)なのですが、同じクリスチャンでも違いがあるのですね。細かいことは私も勉強中ですし、またの機会にと思うのですが、このダンテ神曲の「煉獄」について…。

「それはカトリックよ。プロテスタントには煉獄なんてないわよ」

と牧師夫人瑛子さん。ちなみに、カトリックの司祭を「神父」と呼ぶのに対してプロテスタントは「牧師」と言います。神父は結婚が認められず生涯独身ですが、牧師は結婚出来ます。(どうも「神父」というのは「童貞」を貫かねばならぬもののようです( ̄▽ ̄;))
確かに、ダンテは13世紀の詩人。プロテスタントなんて陰も形もありません。

地獄へ堕ちるほどの悪人ではないものの、天国へ行けるほど善人でもない。

そう思う日本人は多いと思います。私もその一人。で、煮たり焼いたり切られたり…俗に言う「拷問」がエンドレスで続く「地獄」に恐れをなした私。「煉獄」という刑務所のような存在(努めを終えれば釈放される→天国に行ける)を知って救われた気になったのですが…。

「天国」と「地獄」しかないんですか…!!( ; ロ)゚ ゚

そして瑛子さんのコメントの続き…

「地獄と天国の境界は私もわからない。だから、NOって可能性のあることはやらない」

ヾ( ̄_ ̄ )/\( ̄ー ̄)/\(  ̄− ̄)ノ゛ドモモモ・・

考えても仕方ないので、次行きましょう〜。
煉獄から天国へ行くのに、

「炎の中で燃え尽きよ、ダンテ!!」

なんて天使に言われたダンテ。
「燃え尽きよ」なんて、簡単に言うな〜(#`皿´)<怒怒怒怒怒怒!!!

「私はあの苦しい地獄を見てここまできた!全ては真実の世界を見極めるためなのだ!!」

ダンテは炎の中に飛び込みます。
そして…。

豊かな緑、爽やかな風、鳥の声…。
ダンテの額にあった「P」の刻印がすべて消えています。
ここは…地上の楽園。
ヨハネの黙示録にある二十四人の聖なる人と四頭の聖獣…。
真紅、緑、純白…それぞれの衣をまとった天使が美しい舞を披露します。この三色の寓意は「愛」「希望」「信じる力」…。
見惚れるダンテが我に返ると、ウィリギリウスがいない。

「行くが良い、ダンテ!私が案内できるのはここまでだ」

ここからダンテを天国へ案内するのがベアトリーチェベアトリーチェとは、ダンテの「新生」に登場するダンテの初恋にして永遠の女性。24歳の若さで夭折しました。

「ここからは私が案内します」

何人もの天使がダンテを連れて舞い上がり、川の中へ落とします。

「浄めるのです。天上界に入るために。そして忘れなさい。全てのことを…。遥かに流れるレテ川の清く流れる水を浴びて…」

ダンテの天国を巡る旅が始まります。

第一天 月星天―神に向かって生きた真実の魂でありながら誓願を果たせなかった者達がいるところ。
第二天 水星天―進んで活動をし、善行を働いた者達が住むところ。
第三天 金星天―誠実で美しい恋に生きた者達が住むところ。
第四天 太陽天―知識人の魂の住むところ。
第五天 火星天―信仰のために戦った魂の住むところ。
第六天 木星天―地上で正義を行った者が住むところ。
…と、天使に導かれて上へ上へと昇るのですが…。
それは、神の祝福に包まれ、美しい天使と眩しい光に満たされた世界ではあるのですが…。

面白くない(ー_メ)

原作の「神曲」はわかりません。でも、永井豪は「面白くない」ようで、まるで「ヤル気」がない。おざなりです。
どれほど「おざなり」かと言うと、「ダンテ『神曲』上下」巻あるうち、「地獄篇」が全一巻と二巻の三分の一を占め、残りの二巻三分の二を「浄罪篇」と「天国篇」が折半してるんですね。はい、結局、永井豪は「地獄篇」にしか興味がなく、そこで全精力を燃やし尽くしたのではないでしょうか…( ̄0 ̄;)
確かに…。
ダンテが永遠の女性、ベアトリーチェに導かれ、あの世の楽園、天国を旅するのは至福だろうけど…

どうぞ御自由に〜\(── 。 ──)DOMO♪

「私もまた、愛の光の中心に向かってまっしぐらに上昇していった。ベアトリーチェとともに…。無限に降り注ぐ愛の光の中でベアトリーチェが微笑んでいた。そして私もまた…」(完)

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