4回にわたり、この、永井豪による「神曲」にお付き合い下さり、誠にありがとうございます。拙いながら更新出来たのも、アクセスによる皆さまの反応が受け取れたから。全く、私如きが、「神曲」なんて、「インド人もビックリ」…。って、これ、「神曲」が語源らしいですね。ちなみに、かの、松岡正剛氏による「神曲」となると…
「驚嘆であり、飛翔であり、篤心だ。回復しがたい罪状であり、壮大きわまりない復讐なのである。これは偉大な作為そのものだ。それなのに至上の恋情で、比較のない感銘の比喩である。またこれは深淵の祈念で、阿鼻叫喚であって、それでいて永遠の再生なのだ。ダンテ。神曲。ディヴィナ・コメーディア。神聖喜劇〜以下、延々( ̄0 ̄;)…」松岡正剛の千夜千冊

悪口言う気もないけど、「神曲」以前に、自分の言葉に酔ってません?
一生、言ってろ…ヾ( ̄_ ̄ )/\( ̄ー ̄)/\(  ̄− ̄)ノ゛ドモモモ・・
これ読んで「神曲」読んでみよう!と思う人って、いるんでしょうか…。
逆に、敷居を高くしてません?

はいはい、知性、教養のある方は、どうも「知性、教養」が邪魔するのでしょう。知性も教養もない身は、向かうところ邪魔なし(o^∇^o)ノ
で、今回でオチをつけますので、どうぞ、お付き合いくださいませね<(_ _*)>
頭人身の怪物、ミノタウロス。半人半馬のケンタウロス。人頭鳥身の怪鳥アルピア…。
いずれもギリシア神話に登場するのですが、「神曲」でも何気に使われていて、お洒落〜と思います。石井輝男「地獄」だと、閻魔(えんま)大王に赤鬼、青鬼ですから…( ̄▽ ̄;)
それにしても…牛頭人身、半人半馬、人頭鳥身…「地獄の河の魚釣り」に首提灯(くびちょうちん)…。永井豪だから、
「マンガ家として、自分の作品上に、イマジネーションを大きく膨らませていかれるのも、少年期にこうした幻想の世界を我が物にできたことが、大きく作用していると思う」
なんて言えるけど、普通のお子様だったら、どうなるんでしょうね。う〜ん。下手にはまったら、やっぱり「完全変態」か「不完全変態」になったかも。

さて、いよいよ地獄の最下層、コキュートスに下りて参りました。
コーキュートス(Cocytus)は元来は「悲嘆」を意味し、ギリシア神話においては地下世界(地獄)の最下層に流れる川で、「嘆きの川」を意味します。この辺も、実に洒落ていますね。

ギュスターヴ・ドレ画


地獄の底…。
それは、カイーナ、アンティノラ、トロメア、ジュデッカ…の四層からなる氷地獄。すべてが凍りつき、音もなく、動くものは風だけ。闇の中を針のような風だけが突き抜けてゆきます。最も重い罪、裏切りを行った者が永遠に氷漬けとなり、裏切者は首まで氷に漬かり、涙も凍る寒さのなかで永遠の地獄を味わいます。
「人はなぜ、このような地獄を必要とするのか…?」
ダンテは自問します。聖書の中にも、アダムとイブの二人の息子、カインとアベル…人類最初の兄弟は、カインが兄アベルを殺します。人類の歴史は、争いと裏切りの歴史。人はなぜ、騙し、裏切るのか…。

現世では英雄や名士、賢者、絶世の美女…であった者が、地獄では永劫の苦しみに喘いでいます。実在した人物を登場させるところが、何と言ってもやっぱり凄い。14世紀によくやれたものだと思います。故国を追われ、奈落の底をさ迷ったダンテだからこそ、やれたのかもしれません。
例えばあの、足軽から天下を取った豊臣秀吉が、商売の神様と言われた松下幸之助が、田中角栄が、割腹自殺した三島由紀夫が…地獄で断末魔の叫び声を上げている…としたら、それを小説や映像にしたら…衝撃的ですよね。

地獄の終わり、ジュデッカで、ヴィリギリウスが言います。
「ここでおまえは全宇宙の悪の根元を見ることになるのだ!」
「この世に悪をもたらした者、地獄の神サタンと呼ばれし者」
それは…
「堕天使 ルチフェル!」
これは、ルシファーとも呼ばれ、かつては最も神に愛された天使であり、美貌を謳われました。大天使のおごりから神を怒らせ、天界より投げ落とされて堕天使となったサタン、ルチフェル…。奈落の底へ落とされたルチフェルは配下の堕天使を結集し、再び神の軍に戦いを挑んだものの、大天使ミカエル率いる天使軍に敗れます。ミカエルに敗れたルチフェルは、こうして地獄の最下層に閉じ込められ、醜く恐ろしい三つの顔と不気味な6枚の翼をもつ姿となったのです。(これだけで一つの壮大なお話ですね)
左右の口でローマ皇帝暗殺の首謀者、ブルータスとカシウスを、中央の口で主イエスを裏切ったユダを、噛み砕き続けています。
三悪人の血と涙が入り交じった真っ赤な液がルチフェルの胸元に滴り落ち、噛まれても噛まれても復元する身体が、三悪人に永劫の苦しみを与えています。
そうか…地獄のどん底にいるのが、ブルータス、カシウス、ユダ…なんですね。
キリスト圏でない日本だと、さしずめ、誰でしょうね…???

こうして、ダンテはようやく地獄の旅を終えます。
地獄を出て、太陽の光を浴びた時、
偉業を成し遂げたダンテをたたえる迎えの天使が…。
先頭に立っているのが、ダンテの初恋であり、永遠の女性…
ベアトリーチェ

":*・゚☆.。.:*・゚£(。・""・)o[†...Thanks...†]o(・""・。)β。.:*・゚☆.。.:*"

ご静聴、ありがとうございましたm(_ _)m アリガトォ〜★
やばい、続きの「煉獄篇」読まないわけにいかなくなったやんけ!